ビルダーバーグ会議とアメリカ新体制のヤバさを、ベンジャミン・フルフォードが徹底解説!「トランプの周辺人物に注目」

■トランプ政権を見極めるにはカネの流れを追え

フルフォード氏「トランプ政権は、『カネ』で分析すると非常にわかりやすい。国際金融マフィアとの関係性を強めて経済的戦略を強めるほうが収入になるのか、はたまた軍事的政策をチラつかせて恐怖を抱かせることで収入を増やすか、どちらがより“有益”かによって、態度をコロコロと変えているのです。

 それは外交にもよく現れています。トランプは就任当初中国に対して攻撃的でした。しかし、4月に習近平国家主席と会談し、突然親中派に変わった。その背景には、トランプが掲げる1兆ドル規模のインフラ整備に対して、中国サイドから多額の資金援助の申し出があったからではないか、と囁かれています。

対して、5月に行われたG7首脳会議のあと、対米貿易黒字を抱えるドイツに対しては『very bad』などと発言しました。その後、北大西洋条約機構(NATO)の本部で演説した際、アメリカ大統領で初めて、NATO条約第5条の集団防衛の約束に支持を表明しなかったため、さまざまな憶測が飛び交いました(のちにルーマニアのヨハニス大統領との共同記者会見で支持を表明)。要は、『このままだったらドイツをロシアから守らないぞ』と、無言のプレッシャーを与えたようなものだったんです。

 また、かつては『サウジアラビア政府が2001年9月11日のテロ攻撃に関与していた』などと発言していたのにもかかわらず、サウジアラビア訪問後には、その態度も一変させています。こちらも、サウジアラビアに対して1100億ドル(約12兆円)分の武器を売却する契約を結んでからのことです」

 アメリカにカネを払う国には友好的な態度を示し、払わないなら悪態をつく。トランプの行動は実に明解だ。6月5日に、サウジアラビア、エジプト、アラブ首長国連邦(UAE)、バーレーンによって国交断絶を宣言されたカタールについても、間接的にアメリカが絡んでいるとフルフォード氏は見ている。

ビルダーバーグ会議とアメリカ新体制のヤバさを、ベンジャミン・フルフォードが徹底解説!「トランプの周辺人物に注目」の画像4フルフォード氏

フルフォード氏「周辺国からカタールが国交を断絶された理由は、『テロリズムを支援しているから』というもの。しかし、カタールはこれに対して『不当で、事実無根の主張や疑いに基づいている』と猛反発しているんです。サウジアラビアはこの時の訪問で巨額の支払いを約束していますから、その資金調達のために、カタールに脅しをかける狙いもがあったんですね。また、米軍筋によるとカタール政府はペルシャ湾沖のガス田の開発を進めるにあたり、水面下では既にサウジが敵視するイランとの連携に合意しているといいます。最初、トランプはカタールとの国交断絶を発表したサウジアラビアなどの対応を称賛するようなツイートを発信していました。しかし、その直後にカタールが120億ドル相当のアメリカ製「F-15戦闘機」の購入を表明すると、トランプはサウジへの支持を取り消し、カタール擁護に回ったんです。その翌週には、アメリカとカタールの同盟関係を示すために、さっそく共同軍事演習も行っています」

 トランプの就任によって、最重要課題が「カネの調達」となったアメリカ。すべてのジャッジが「儲かる」か「儲からない」かになっているとすれば、今後もまだまだ、摩擦は避けられないだろう。

ベンジャミン・フルフォードインタビューまとはコチラ

■プロフィール
ベンジャミン・フルフォード
1961年、カナダ生まれ。外交官の家庭に生まれ、若くして来日。上智大学比較文化学科を経て、カナダのブリティッシュ・コロンビア大学を卒業。その後再来日し、「日経ウィークリー」記者、米経済誌「フォーブス」アジア太平洋支局長などを経て、現在はフリーランスジャーナリスト、ノンフィクション作家として活躍する。5月に『トランプ政権を操る「黒い人脈」図鑑』(扶桑社)を上梓した。


■書籍紹介
『トランプ政権を操る「黒い人脈」図鑑』
ベンジャミン・フルフォード/扶桑社/1728円
4年半ぶりに発売されたベンジャミン・フルフォード氏の図解本。今回は誕生して間もないトランプ政権の閣僚・側近を徹底解説。副大統領から国務長官、財務長官、司法長官まで閣僚15人、CIA。FBIの長官や国連大使まで閣僚級高官10人、そしてジャレッド・クシュナーからスティーブ・バノンなど補佐官や上級顧問など9人……総勢34人の経歴・繫がりを徹底解説する。加えてトランプ政権に多大な影響を及ぼす団体・組織・そして「黒い人脈」も完全網羅。豊富な写真と図解でアメリカの“今”がわかる!

・序章 トランプ家とその家族
トランプ家の歴史から、現在のトランプ・ファミリー、ビジネス歴などを紹介

・第1章 トランプ政権 閣僚
マイケル・ペンス、レックス、ティラーソン、スティーヴン・ムニューチン、ジェームズ・マティス、ジョン・ケリーほか15人

・第2章 トランプ政権 閣僚級高官
マイク・ポンペオ、ロバート・ライトハイザー、ジョセフ・ダンフォード、ッキー・ヘイリーほか10人

・第3章 トランプ政権 側近とブレーン
スティーブ・バノン、ジャレッド・クシュナー、ピーター・ナヴァロ、ケリーアン・コンウェイ、ハーバード・マクスターほか10人

・第4章 トランプを操る知られざる組織
オルタナティブメディア総覧、政権操るマーサー一族、新「闇の支配者」コークス兄弟ほか

TOCANA編集部

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