うつ病は脳の病気であることが科学的に判明か!? 史上最大級のリサーチで脳内の“質の低下”が発見される!

 スコットランドにあるエディンバラ大学の研究者が、脳の白質とうつ病との関係を明らかにした。研究結果によると、うつ病患者は、感情や思考を整理するのに使われるこの白質の「質」が低下しているというのだ。


■うつ病患者の脳の白質は質が低下している

 研究の対象者はイギリス圏に住む3461名。うつ病研究の歴史上最大級の人数を対象にリサーチが行われた。特徴的だったのは、研究にMRIを駆使し、脳繊維の詳細な分析を行ったことである。

 MRIによる映写を見ると、うつ病患者とそうでない人たちの白質は、質の点において相当な違いがあったという。研究チームを統率したヘザー・ウォーリー氏は「この研究結果を用いて、うつ病患者に対する適切なケアが開発されると良い」と期待感をにじませている。

うつ病は脳の病気であることが科学的に判明か!? 史上最大級のリサーチで脳内の質の低下が発見される!の画像1 「Futurism」の記事より

 うつ病であることを周囲に公表する人が少ないことから、うつ病は比較的レアな病気と思われがちだが、実際には非常に多くの成人が悩まされている疾患である。例えば、アメリカ一国だけを見ても4000万人ものうつ病患者が存在し、その数は人口の18パーセントも占めているのだ。にもかかわらず、治療を受けている人は全体の罹患者数の3割程度しかいないのが現状である。

 今回の研究はあからさまに脳をランク付けしているかのように誤解されそうになるが、研究者の本音はあくまでも「患者に適切なケアを与えたい」というものである。実際、うつ病に対する治療は、ぼんやりとした方法であったり、改善策を特定するのに時間がかかるなどして、これが一層患者を苦しめることもある。

■うつ病の明確な治療法の模索が続く

 先の見えづらい治療を患者に施し続け、医師も患者もなんとなく改善を期待するのではなく、今回の研究のように、まず身体的な原因をドンピシャで特定し、それに基づく明確な治療を施せば、何百万もの命を救えるではないか! ――これが研究者たちの本音なのだという。そして、世界ではすでにその臨床が実行されつつある。

うつ病は脳の病気であることが科学的に判明か!? 史上最大級のリサーチで脳内の質の低下が発見される!の画像2 「Futurism」の記事より

 例えば、アメリカのUCLAでは、うつ状態と関連する“心”の部分を特定するために、磁気を使う臨床を開始した。人間は思考を決定付ける過程において、まず脳内で感情や思考の情報処理を行うという、ある意味脳内で「会話」を交わしている。これこそが「脳回路」の原理である。

 ところが、磁気を使ってこの脳回路に作用させ、思考や判断の経緯(=回路)を変えてあげれば、うつ病患者の心の状態を良い方向に向けてあげられるのでは? という、物理的なアイデアである。

 精神に関する研究や治療はデリケートであるべき、との考えから、こうもダイレクトな研究や臨床に関する報告にいささか面食らってしまう人も多いと思われるが、科学者の大胆な勇気が多くの人を救い、結果を残せれば、いつか日本でも取り入れられる日が来るのかもしれない。


参考:「Futurism」、ほか

文=鮎沢明

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