権威ある学術誌で発表「地球の生命は地球外からやって来た、しかも…」 パンスペルミア説ほぼ確定、衝撃の“宇宙生命拡散システム”発見
■惑星間の“流通網”が広がっている
そして“逆もまた真なり”である。一般的なパンスペルミア説では、隕石などに付着した“生物”が地球に運ばれたと考えられているが、大気圏上層部にこうしたメカニズムがあるとすれば、宇宙船ばかりでなく隕石も必要ないのである。地球に似た惑星からの“生物”が超高速で地球に運ばれてきた可能性もでてくるのだ。
「超高速の宇宙ダストは、太陽系をはじめとする惑星系における独特な存在であり、各惑星のサンプルを大気圏を通過して収集・貯蔵することができます。惑星系を飛び交う超高速の宇宙ダストには、あらゆる惑星からの原子、分子、場合によっては微生物の生命体まで含まれており、それらを異なる惑星へと運ぶ手段になっています」(研究論文より)
つまり、惑星とはそれぞれが孤立した存在ではなく、相互に物質や生物をやりとりできる“流通網”をすでに持っているということだ。そして、この“流通網”は銀河全体に及ぶことさえ考えられるのである。
「宇宙ダストの衝突によって、惑星間の遠大な距離を隔てて生物が運ばれる可能性があるという仮説は、惑星の生命と大気の起源に関する興味深い研究の糸口を開くものになります。惑星系に存在する宇宙ダストの流れは、生命拡散の共通要因となる可能性があります」(研究論文より)
そして、スピッツアー宇宙望遠鏡をはじめとする高性能望遠鏡による今後数十年の宇宙探査で、超高速宇宙ダストが微生物をはじめとする生命の“輸送システム”として宇宙にあまねく広がっていることが明らかになるということだ。
生身の人間が気軽に宇宙へと旅立つ時代はまだまだ先の話になるが、この宇宙にすでに惑星間の“流通網”が広がっているとすれば、地球もまたほかの惑星からさまざまな影響を受け続けていることになる。超高速宇宙ダストのメカニズムについて、今後の研究の進展を大いに期待したい。
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