24年前に生まれるはずだった赤ん坊が誕生! 生みの母親と1歳差…親子の常識が覆る時代到来!

 先月、米国テネシー州で、24年前に凍結保存された受精卵から赤ちゃんが生まれたことが分かった。さらに驚くべきことに、出産した母親とはたった「1歳違い」だという。この驚きのニュースは「CNN」ほか多数のメディアで報じられている。


■24年前の受精卵が赤ちゃんに

24年前に生まれるはずだった赤ん坊が誕生! 生みの母親と1歳差…親子の常識が覆る時代到来!の画像124年前の凍結受精卵から生まれた赤ちゃん。画像は「CNN」より引用

 今年11月25日に生まれたエマちゃんは、身長50cmに体重2.9kgの健康な赤ちゃんだ。一見すると可愛らしいごく普通の赤ちゃんであるが、彼女はある世界記録を携えて生まれてきた。エマちゃんは1992年10月4日に凍結された受精卵から生まれたのである。母であるティナ・ギブソンさんは出産時25歳。つまり、受精卵は生みの母親がたった1歳の時に保存されたものなのだ。

 エマちゃんの父ベンジャミン・ギブソンさんは不妊の原因となる嚢胞性線維症という難病を抱えており、夫妻は養子縁組を考え始めた。初めはただ養子を迎え入れることを考えていたが、不妊治療で余った受精卵を凍結保存し、子供を望むカップルに提供する仕組みがあることを知り、受精卵の養親となることを選んだのである。

 ティナさんの子宮の状態や家庭環境がチェックされ、夫妻は受精卵の養親として州の承認を受けた。その後、およそ300ほどの候補の中から提供者の身長や体重、病歴などを基準として、移植する受精卵が選ばれた。夫妻が選んだのは、偶然にも24年前に凍結保存された受精卵だった。この受精卵は匿名のカップルから全米受精卵提供センターに提供されたもので、当然だが、夫妻のどちらとも遺伝的なつながりはない。

 受精卵の移植に関わった全米受精卵提供センターのキャロル・ソンメルフェルト氏によると、凍結保存された受精卵の25%は解凍の際に死んでしまうという。しかし、解凍された受精卵は三つとも生存し、ティナさんの子宮へと移植された。着床する可能性は約25~30%とされる。三つの受精卵のうち一つが着床し、このたびのエマちゃん誕生となったのである。なお、エマちゃんが誕生するまで、凍結保存の最長記録は20年であった。

24年前に生まれるはずだった赤ん坊が誕生! 生みの母親と1歳差…親子の常識が覆る時代到来!の画像2キブソン一家。画像は「CNN」より引用

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