眠る前にコップ1杯の水を飲めば「夢を記憶」できる! なぜ夢を忘れてしまうのか、複数の学者が徹底解説!
■記憶を助ける神経伝達物質が睡眠時に減少
脳内の神経伝達物質であるアセチルコリンとノルアドレナリンはどちらも記憶の保持に重要な働きをしているといわれている。
2016年のイタリア・ミラノ大学の研究では、睡眠中にはこの2つの神経伝達物質の分泌が著しく低下していることが報告されている。したがって夢などの睡眠中の現象は記憶が定着しにくいということになる。
しかし面白いことに、眼球が激しく動くレム睡眠時にはアセチルコリンの分泌量は起床時と同レベルにまで回復するという。しかしながらノルアドレナリンの分泌量は低下したままなので、コンビネーションが利かないため夢の記憶の定着には結びつかないということだ。しかしながらこの現象もまだメカニズムがよくわかっていない。
■眠る前にコップ1杯の水を飲むと……
我々は起きている状態だからといって、常に仕事や課題、各種の日常的な作業に没頭しているわけではない。休み時間や通勤時など、あるいは入浴中などには頭の“回転”を止めてボンヤリと空想を弄ぶこともあるだろう。
米・タフツ大学医学部教授のアーネスト・ハートマン氏はこうした日中の夢想、すなわち“白昼夢”は自分でもつまらないと考えてすぐに捨て去ってしまっているが、睡眠中は意識がないので捨て去ることもできずに夢になるのだと説明している。したがってその内容はたいていはつまらない妄想や空想であるというのだ。
しかし、とはいっても中には実にスリルやハプニングに満ち、鮮烈なビジュアルの印象強い夢を見た経験を持つ人も少なくないだろう。前出のアンドリオン氏によれば、より感情に訴えるストーリー仕立ての夢は記憶に残りやすいということだ。
では結局のところ、夢をなるべく記憶しておくにはどうしたらよいのか。ハーバード・メディカルスクールのロバート・スティックゴールド教授は実にシンプルな方法を紹介している。それは眠る前にコップ1杯の水を飲むというものだ。夜中にトイレに行きたくなれば眠りが中断し、2017年の研究のように夢の体験が長期記憶に保存される時間が確保できるのである。
もちろん枕元にメモとペンを常備しておいて、起床時に今の今まで見ていた夢の内容をザッと書き記す“夢日記”も記憶するという点では効果的だろう。今夜はいったいどんな夢が見られるのか、少しは楽しみになる話題ではないだろうか。
(文=仲田しんじ)
参考:「Live Science」ほか
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