NGOグリーンピースの「不都合」ではない正体が明らかに!? 大月壮が作った環境問題×アートムービー「混獲」が美しすぎる

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 寿司ネタとして圧倒的な人気を誇るマグロが絶滅危惧種に指定されていることを知る人は多いが、同時にその漁業行為によって海鳥やウミガメなどが殺されていることを知る人は少ない。しかもその数は数万、数十万匹単位なのだという。


■深刻を極める混獲問題とは何か?

 混獲(こんかく)とは、漁業において、本来採る目的の魚類以外、例えば海鳥、ウミガメ、イルカなどの海洋哺乳類などが捕獲されることを指す。混獲により、年間16万羽の海鳥、30万匹ものウミガメが犠牲になり、そのうちの多くが不必要に命を落としているというのだから驚きだ。

 その状況を広く知らせるために、国際環境NGO・グリーンピースが制作したのが下のPR映像。

 1分間のこのムービーにおいて、月夜の浜辺で踊るバレリーナは漁網に絡め取られて苦しむ海鳥の姿を表現している。ちなみに、撮影に使われている漁網は淡路島の漁師が実際使っていたものをリサイクルしたのだそうな。


■意外と知らないグリーンピースの正体

 アートを利用して社会問題を提起して広める手法はこれまで様々に行われてきた。鑑賞者に日常とは別の視点を与えるというアートが持つ機能ゆえ自然な流れだ。

 そして、グリーンピースがその先駆的な団体であることはあまり知られていない。そもそも組織の起こりからしてそうだったということも。

NGOグリーンピースの「不都合」ではない正体が明らかに!?  大月壮が作った環境問題×アートムービー「混獲」が美しすぎるの画像1画像は、ロックコンサートを主催したグリーンピース副創始者、Irving Stowe。1970年10月16日バンクーバーにて。© Greenpeace / Robert Keziere

 時は1971年。ヒッピーカルチャー華やかなりし頃、アラスカの小島、アムチトカ島で計画された核実験に反対して非暴力、直接行動を行ったことがグリーンピースの始まりだった。12人のクルーが乗った漁船による反対行動は、結果的にその実験を止めることには失敗したが、翌1972年、アメリカ政府はアムチトカ島での核実験を断念するに至る。

 その活動の資金集めのために行ったのがロックフェスだった。おそらく、1969年に行われた歴史的ロックフェス、ウッドストックフェスティバルの成功がその下敷きとしてあったと推測できる。

 以降、グリーンピースでは、主に映像のジャンルで様々なアート作品を作ってきた。例えば……

『確かに、でも静かに、世界を侵食しているプラスチック』
『Earth Day: Give Earth a Hand』

『漁網 – Bycatch-』はこの流れをくんだ、ジャパンブランチ初のアートを使ったパブリシティになる。


■ディレクションは『アホな走り集』の大月壮

 映像美もさることながら、驚いたのは、以前TOCANAでインタビューし、TOCANA動画コンテストの審査員も務めた映像クリエイター・大月壮がディレクションを担当していることだ。

『アホな走り集』

 この作品『アホな走り集』で、大月さんは2010年にニコニコ動画にて総合ランキング1位を獲得し、Youtubeでは280万超のPVを達成。さらに、2011年に制作したカンボジア編では第15回文化庁メディア芸術祭エンターテイメント部門で入選した。

 そんな、アートとコマーシャルの領域を「アホ」を柱に往来してきた大月さんの最新作が、グリーンピースと組んだこの『漁網 – Bycatch-』なんて! なにか心境の変化でもあったのだろうか?

NGOグリーンピースの「不都合」ではない正体が明らかに!?  大月壮が作った環境問題×アートムービー「混獲」が美しすぎるの画像2大月壮

「世の中にいいことがしたくなっちゃったんですよ。『アホな走り集』ははからずも “いいもの作っちゃった感” が出て自分でも驚いたんですけど、今度は意志的に。もちろん『アホな走り集』のスタイルは捨ててませんよ。ツバルの海面上昇をテーマにした『アホな走り集/ツバル編』、見てください(笑)」(大月さん)

『アホな走り集/ツバル編』

 グリーンピースのような団体に対して反射的に生理的な嫌悪感、拒否感を持つ人は少なからずいる。それはわかる。とはいえ、まずは事実は事実として捉え、そこから未来を思考することが、このポストトゥルースの時代に僕らがサヴァイブするための必須条件だと思う。

 というわけで、グリーンピースについて、不都合じゃない事実をまとめてみました。どうぞ、頭の隅にでも置いておいてくださいな。

文=渡邊浩行/モジラフ

※ 本記事の内容を無断で転載・動画化し、YouTubeやブログなどにアップロードすることを固く禁じます。

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