物質も心も存在しない、有るのは●●だけ! 数学さえ“人間の精神”から生まれた
物質も心も存在しない、有るのは●●だけ! 数学さえ“人間の精神”から生まれた… 哲学「情報実在論」の矛盾と宇宙多重人格説!
だが、これでは情報は無意味な言葉遊びではないか? 哲学者でありコンピュータ科学者であるベルナルド・カストラップ氏は、情報実在論者は情報を曖昧模糊な定義に押し込めることで“反駁不可能”な概念にしてしまい、“意味”の問題から逃げていると批判している。
カストラップ氏によると、そもそも情報という言葉が人間の作り出した概念である以上、それは明晰判明にその意味を特定することができるか、あるいは、概念化がうまくいかず意味を持つには曖昧すぎるままに留まっているかのどちらかだという。後者の場合、情報を究極的な実在とすることは馬鹿らしい話だ。
とはいえ、情報実在論者が投げかけた問いの価値が失われるわけではない。物質の最小単位を突き詰めていくと、“エネルギー”や“場”といった得体の知れないものに行き着いてしまう。実際に感じられる物質の具体性や固さはどこに行ってしまったのだろうか?
この難問に対しカストラップ博士はむしろ物理学が描く世界は我々の精神の中にあるものであり、世界そのものの姿ではないと答える。物理学的・数学的に描写したものが非精神的なものであると考えるところに情報実在論の問題があるというわけだ。そして、数字、集合、方程式は人間が生み出したものである以上、テグマークが考える「数学的な宇宙」も精神の産物であるとする。
そこでカストラップ博士が提唱するのが、宇宙はひとつの大きな意識であり、各人の自意識は宇宙意識が持つ別人格であるとする「宇宙の多重人格説」である。カストラップ博士は、解離性同一障害の症例から、個々人の自意識を解離性同一性障害の患者が持つ“それぞれの人格”と捉え、宇宙の統一された自意識をそういった人格を包含する患者の心と捉える。この考え方をカストラップ博士は「観念論」と呼んでいる。
壮大な話であるが、1つの可能性として一考の価値はあるだろう。ちなみに、哲学の世界では、カストラップ博士とは反対に人間の精神に絶対に現れることのない“絶対者”や“非存在”の探究が流行している。今後、両者の間で議論が起これば、また一層面白くなるかもしれない。
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2024.10.02 20:00心霊物質も心も存在しない、有るのは●●だけ! 数学さえ“人間の精神”から生まれた… 哲学「情報実在論」の矛盾と宇宙多重人格説!のページです。物理学、心、精神、情報実在論、マックス・テグマーク、数学的な宇宙、宇宙の多重人格説、ベルナルド・カストラップなどの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで