奇習! お寺で金貸しから売春までヤリたい放題! 平和な寒村を荒らし尽くした“生臭坊主”の最期
「その坊主が言うにはね、自分はもともとヤクザ者で、後ろ盾もあると。実際、先代の住職も、自分が殺しただなんて言い出したんだよ。驚いたには驚いたけれども、そうなりゃ警察でしょ。すぐに村の駐在に報告したわけ。けどね、どういうわけだか駐在も動く気配すらないの。これはね、後々になってわかったことなんだけども、その駐在、坊主のところの女にすっかり骨抜きにされた挙げ句に、坊主からかなり金を借りてたっていう。そういう経緯があったものだから、結局、その坊主が死ぬまで、ヤツのやりたい放題だったというわけよ」
自らの正体を明かした上で、それまで以上に、やりたい放題の状態となったという“生臭坊主”。やがて寺は売春宿兼賭博場のような有り様となり、当地にはよそから転がりこんできた流れ者やヤクザ者の類が激増。それはもともと暮らしていた村人たちよりも多くなるほどの奇妙な状態となっていたという。しかし、そんな彼の栄華もそう長くは続かなかった。
「坊主がやってきて7、8年経った頃かな。何の前触れもなしに、坊主が死んだんだよ。なんでも、村はずれの道端に転がってたらしいんだけど、俺も詳しくはわからん。けど、その日を境にして、ヤクザ者たちも少しずついなくなって、ひと月もしないうちに、(“生臭坊主”が来る前の)元の状態に戻ったよ」
“生臭坊主”に手を焼かされていた善良なる村人たちの怨嗟を思えば、そうした不自然な形での彼の死もどこか頷けるところ。無論、今となっては知る術もないが、この坊主が、実際には如何なる素性の持ち主で、なぜ当地を選び、このような悪行を続けるに至ったのか、その詳細がなんとも気になるところである。
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