二十歳で自死を遂げようと決心した少女が、もう少しだけ生きてみようと思った。遺影にしようと撮影した自身のヌード写真を目にしたときからーーー。彼女の名前は兎丸愛美。写真家・笠井爾示と兎丸愛美の連名で発表した写真集『羊水にみる光』がリブロアルテより刊行され話題を呼んでいる。「写真」という絆で固く結ばれた笠井と兎丸の対談をお届けしたい。
■撮ること、撮られること。写真に対しての愛情が二人の共通点
ーーーまず、笠井さんと兎丸さんの出会いをお聞かせ下さい
笠井爾示(以下、笠井):「知人の紹介ですね。その時、僕はお酒が入っていたのもあり、兎丸に対して強い印象は持たなかったんです。その後、兎丸のtumblerを見て、この子面白い!って注目し始めました。実物より写真の中の兎丸に惹かれたんですよ。兎丸はどう?」
兎丸愛美(以下、兎丸):「笠井さんの名前はもちろん知っていました。実は最初はちょっと怖かったです(笑)。でもその後、何度かお会いする機会があって、すごく写真に対して真摯な方だなって思いました」
笠井:「兎丸と写真集を作りたいねって最初に二人で話した時に、兎丸は女優として活動していたから、ヌードは躊躇するのかな?って内心思ったんです。でも、彼女は僕に「ヌードモデルを続けたい」って宣言した。めちゃくちゃカッコイイですよね。なかなか言えることじゃないですよ」