顔の半分があざ… 難病「スタージ・ウェーバー症候群」女性が苦しみの果てに辿り着いた境地とは!? 勇気と感動の人生ヒストリー=米
カナダに住む二児の母、チェルシー・ピートさん(34)は「スタージ・ウェーバー症候群」に苦しんできた。顔の左半分は紫色のあざで覆われ、目は緑内障を患っている。
スタージ・ウェーバー症候群は、脳髄膜の血管病変、顔面の皮膚が青紫色に変色するポートワイン血管腫、さらには緑内障を特徴とする疾患である。てんかんや発達障害、運動麻痺、視力障害なども生じやすい。近年、第9染色体の長腕の9Q21に遺伝子変異が発見されたが、これが発症の原因であると確定されたわけではない。発症率は年間5万~10万出生に1人と推定されている。
チェルシーさんの両親は医師から、娘の生存確率は50%で、長生きできたとしても精神的不安定になる確率が50%と言われていた。しかし、チェルシーさんは信じられないほどの逞しさと勇気を発揮して困難を乗り越えていった。幼少時に脳外科手術を受け、後頭葉の切除によって発作が起こらないようにした。
チェルシーさんが直面したのは生死の問題だけではない。彼女は学校で壮絶ないじめを受けてきたのだ。顔面のあざのせいで、彼女は若者が経験するほとんどのことを経験できなかった。学校に通うことすら容易ではなかった。
しかし、チェルシーさんは医師の予想に反して34歳まで生き、2人の子供にも恵まれた。彼女は高校時代のいじめっ子たちが間違っていることを証明するため、自らの顔をネット上で公開することにした。これは長年の夢であったが、彼女には自信がなく、なかなか一歩を踏み出せずにいた。だが、ようやくInstagramやYouTubeなどを通して啓蒙活動を行っていく決意が固まったのだ。彼女は自分と同様の症状を抱えた子供たちのサポートもしており、自分の辛かった経験を活かして、子供やその親を支えている。
「今では、自分の外見に対して完全に心地よさを感じています。そう感じられない人たちがいることを残念に思います」(チェルシーさん)
自分を肯定するチェルシーさんは、かつての自分のように苦しんでいる人たちに手を差し伸べ、差別や偏見と闘っていくのだろう。
(文=標葉実則)
参考:「YouTube」、「LittleThings」、ほか
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