足を“前後逆に付け替えた”少年、いったいなぜ!? 人の視線や言葉に臆さず… 苦難の末にたどり着いた境地「本当の姿だから隠さない」
カナダのブリティッシュコロンビア州南西部にある都市アボッツフォードに住むジェイコブ・ブレデンホッフ(14歳)君は、どこにでもいそうなスポーツ好きのティーンエイジャーだった。しかし、悲劇が彼を襲った。彼の脚に、悪性の中でも悪性度の高い骨肉腫が発見されたのだ。
■闘病生活の始まり
昨年、ジェイコブ君が膝に痛みを感じ始めた時、医者はそれを単にスポーツでのケガから来るものだと考えていた。しかし、彼の腿に次第に硬いしこりができ、心配した母親のトレーシーさんが病院に連れて行った。血液検査とX線検査を受け、後に連絡が入り、トレーシーさんはジェイコブ君にがんがあることを知らされた。そして医者は、そのがんが悪性度が極めて高い骨肉腫と告げたのだ。
骨肉腫は、骨の中で成長したがん性腫瘍である。米国では毎年、およそ800~900件の新たな骨肉腫の症例が診断されているが、半分は小児および10代の若者だ。
ジェイコブ君の場合、MRIを撮ったところ、その骨肉腫は彼の大腿骨を覆いつくしており、大腿骨の内部は非常にもろい状態で、ちょっとした圧力でも折れてしまう危険性があった。
がんに侵された骨を摘出する前に、ジェイコブ君は抗がん剤治療を受けることになったが、それによって彼の体力は奪われ、150日間以上の入院を要した。
■手術――「回転形成術」
医者はジェイコブ君に「回転形成術」と呼ばれる、風変わりな手術を勧めた。それはがんのある骨を取り除いた後で、下肢を180度回転させて、もともと、膝があった部分に足首を接合するというものだ。外見的には、膝部分に前後逆に足首がくっつく様子となる。
医師は彼に、すねから下の足を膝に前後180度逆さに付けることによって、くっつけた足首が膝の働きをするので、機能的には大腿で切断して、義足を付けるよりはるかに優れていると説明した。そして、その手術を受ければ、将来的には再び走り、スポーツも可能になるというものであった。
当初、ジェイコブ君は「回転形成術」のあまり異常な外観に、否定的な反応を示したという。しかし最終的に彼は、熟慮を重ねた結果、回転形成術の手術を受ける決断をした。
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