切断された脚が3日で再生開始! 失った四肢の“復活スイッチ”存在か… 2種のタンパク質がマウス実験で発見される

 最新の研究で科学者らは、マウスの足先の切断部分を成長・促進する2種類のタンパク質を発見したことを報告している。将来的には人間にも応用可能になるのだろうか。

■2つのタンパク質でマウスのつま先が再生

 言わずもがなであるが、失われた四肢を取り戻すには骨のみならず、体のさまざまな細胞や組織の再生が必須である。

 以前の研究では切断部分の骨の再生(伸長が促される)が確認されていたが、米テキサスA&M大学の獣医学および獣医薬理学の担当教授ケン・ムネオカ氏らによって行われた今回の研究では、これまでは実現が難しかった関節についても同様に再生が可能であることが判明したという。

切断された脚が3日で再生開始! 失った四肢の復活スイッチ存在か… 2種のタンパク質がマウス実験で発見されるの画像1
「Science Alert」の記事より

 研究では骨を形成する増殖因子であるBMP2(組換え骨形成タンパク質2)に加え、もう一つの組換え体タンパク質であるBMP9を追加。この2種類を組み合わせてマウスの切断部に注入すると、3日以内に関節の軟骨組織が60%以上形成されることがわかったのである。

 タンパク質を組み合わせるタイミングやマウスへ注入する順番などを調査した結果、再生プロセスに最も効果が見られたのはBMP2をまず初週に、そしてBMP9を第2週目に追加する方法だったという。一方でこれらタンパク質を注入しなかった場合、予想通り回復している様子は見られなかった。

切断された脚が3日で再生開始! 失った四肢の復活スイッチ存在か… 2種のタンパク質がマウス実験で発見されるの画像2
画像は「Nature」より

 ヒトデやトカゲなど優れた再生能力を持つ生物も存在するが、関節や骨の完璧な再生が見られることはまれである。軟骨は関節の主要部分であり、ヒトと同じ哺乳類であるマウスに成長因子を用いることで組織の形成が確認されたことは、再生が困難である人間の切断創や外傷に対しても希望が持てることであるだろう。

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