富裕層、新型コロナによって23日間で純資産が2820億ドル激増していたと発覚! エリート勢だけがほくそ笑むコロナ禍

 “ロックダウン”中にアメリカの失業率は14.7%(4月)と、戦後最悪の数字をマークした。JPモルガンの調べではこの第2四半期にアメリカ経済全体が40%縮小しているともいわれている。しかしその一方でどういうわけなのか、アメリカの超富裕層の資産がかつてないほどに急増しているというのだ。いったいどういうことなのか。

 

■“コロナ禍”で超富裕層の資産が激増

 全世界を覆う“コロナ禍”によって事実上の“世界恐慌”が現実のものとなっている。

 中でもアメリカの状況は酷く、失業保険の申請件数が3月中旬以降の8週間で3650万件を超え今も増加中だ。そしてもちろん、世界各地で失業と経済的困窮が蔓延する事態を迎えている。

 しかしこのコロナ禍の中で、資産を急激に増やしている人々がいるという。それはアメリカの超富裕層だ。

「Inequality.org」より

 ワシントンD.C.に拠点を置くシンクタンク「Institute for Policy Studies(IPS)」が先日発表したレポートでは、アメリカの超富裕層がこの不況下において鉱脈を引き当てて資産を急激に増やしている実態を報告している。

 レポートの中ではアメリカの経済紙「フォーブス」の記事を参照して現在の億万長者の資産を調査・分析している箇所があるのだが、それによれば今回のパンデミックによる一時的な金融危機の大底であった3月18日から4月10日の間に、アメリカの資産10億ドル以上の億万長者の資産は2820億ドル(約30兆円)も増加し、コロナ禍が始まる前よりも10%増えていたことが報告されている。

 中でもアマゾンのジェフ・ベゾスCEOの資産は4月15日の時点で、今年1月1日に比べ250億ドル(約2兆6800億円)増えていることを指摘し、パンデミックの始まりである2月21日の時点から見ても120億ドル(約1兆2900億円)増加しているという。いったい何が起こっているというのか。

 レポートではそもそも昨今、行政をはじめとする社会環境が超富裕層にきわめて追い風になっていることを指摘している。富裕層であるほどに資産を増やしやすくなっているというのだ。

 たとえば1980年から2020年の間に、アメリカの億万長者の納税義務額が段階的に79%減少していたこともあり、この間の過去30年間において、億万長者の資産は1100%以上急増している。一方で全世帯の資産の中央値はわずか5%の増加に留まっている。

 1990年、アメリカの億万長者階級が保有する総資産は2400億ドルであったのだが、この30年間で2兆9500億ドルにも膨れ上がっているのである。そしてアメリカ全世帯の平均値以下の資産総額は、ジェフ・ベゾスとビル・ゲイツ、そしてウォーレン・バフェットの3人の資産総額と同等になるという。

 まさに現在のアメリカは富める者はますます富み、貧しい者はますます貧しくなるという格言を地でいく事態に直面しているのだ。

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