ウィルクス ファッションフォトグラファーとして、女性の裸を撮ることは仕事の一部です。ただ、個人的には、女性の姿と男性の視線の親密さには意味があると思っています。カップルになりたいという人間の欲望は、すべての無意識的な行動の基盤になっていると思っています。人生はペアになることでより意味を持つのです。
――あなたの写真のコンセプトは?
ウィルクス 企画ごとにスタイルは変えています。私の信念は、コンセプトが先で、美的感覚は二の次だというものです。言い換えれば、スタイルはコンセプトを支えるために受容されるべきだということです。とはいえ、私の作品の共通テーマは何かと聞かれれば、“記憶の捕捉”が中心的な特徴だと答えるでしょう。私にとって時間の経過はとても苦しいものなので、時間を止めることに最善を尽くし、時間の中のある期間を写真という形で記念しているのです。
――写真集は出版していますか?
ウィルクス 雑誌だけです。4月のLAアートブックフェアで、アメリカの砂漠で女性と行ったロードトリップについての雑誌を出す予定だったのですが、新型コロナウイルスのせいでキャンセルになりました。もし写真集を出すなら、完全で特別なものにしたいといつも思っています。たとえばですが、アラーキーのように大量の写真集を出版して、過去の作品はどうでもいいということにはしたくないのです。