――ヤミ金って具体的にはどういう仕事なんですか?
酒井 昔はお客さんとカウンターでの対面だったんです。ダイレクトメールを撒いて、電話をしてきたお客さんに来てもらいます。そこで審査して、お金を貸します。
来る人は、みんな自己破産したり、借りれるところは全部つまんで、カードの限度額を超えているような人。つまり、ほかでお金を借りれない人です。普通のところで借りられる人はきません。たまに来たら、こっちで調べて「まだ丸井で借りれるから」とアドバイスしたりしていました。
だいたいヤミ金はグループでお金を貸します。僕がいたグループは最大1500店ほどありました。貸し方も最後はほとんど詐欺です。「3.5の2」という貸し方があります。
「2万円貸しますから、3万5000円で返してください。その2万円から書類代で4000円もらいます。要するに16000円貸すから、3万5000円返せってこと」ですね。
そんな条件を飲む人は頭がおかしいか、よっぽど追い詰められています。すでにどこから借りてるか、いくら借りてるかがわかりません。ヤミ金に電話した時点で、どこかに返さなきゃいけないお金を借りているんです。10日ごと、5日ごとの返済がたくさん入って、毎日が返済日です。これをグループでまわしているんですね。
最終的に弁護士が来ると、借入先の一覧が出ます。そこにグループの店がたくさん入っているわけですね。
――本当に『闇金ウシジマくん』みたいな世界ですね。その業務を担当してたんですね。実際にはどんな感じなんでしょう?