中国の有名“都市伝説”5選! 北京375番バス、ゾンビラッシュ、人肉饅頭、猫面婆…

 口裂け女のような怪談から武富士ダンサーズのような時事的な話題まで日本は都市伝説の宝庫だ。しかし、同様に民間伝承のように語り継がれている“伝説”は各国に存在する。今回はその中から中国の有名都市伝説を5つ紹介しよう。

中国都市伝説1
北京375番バス

 375番バスは北京の頤和園(いわえん)、北京大学、清華大学を経由する。1990年代、その辺りでは、毎晩8時を過ぎると人通りも少なかったという。

 事件が起こったのは、1995年11月。北京375番バスの最終便に一人の老婦人が乗り込んだ。老婦人が車内を見ると、車掌と運転手ともう一人若い男性の乗客がいるだけだった。彼女は空いた座席に座り、バスは進んだ。

 すると、次の停車駅で、清朝時代の衣装を着て、長い髪を三つ編みにした、顔に不自然な白粉を塗った3人の新しい乗客がバスに乗り込んできた。

 その異様な姿に乗客らは驚いたが、すぐに落ち着きを取り戻した。というのも、当時は中国の時代劇が流行り始めた頃だったので、おそらく彼らは仕事を終えたばかりのエキストラで、衣装を脱ぐ暇もなかったのだろうと思われたからだ。

 バスが動き、しばらくすると、老婦人が突然立ち上がり、「バスの中に泥棒がいる!」と叫び出した。老婦人は「財布を盗まれた!」と大声を上げ、彼女は運転手に停車するよう頼み、騒々しくバスから降りて警察を呼ぶように頼んだ。そして、彼女は自分が乗ったときにすでに乗っていた若い男性客を泥棒と断定し、バスから引きずり下ろした。

 若い男性は仕方なく、バスを遅らせないように、老婦人の後についてバスを降りた。バスが出発した後、彼は老婦人に自分が泥棒でないことを釈明しようとしたが、老婦人は彼に喋らせる暇もなく、「青年! 私はあなたの命を救ったのよ! でも、私が救えるのはあなたの命だけだった」と話したのだ。

 老婦人によると、「清朝時代の人のように見えた3人の乗客は、人間ではなく幽霊だった。彼らが上がってきたとき、服の下に足がないのが見えた」というのだ。

 翌日、バスはターミナルに向かう途中で、道路脇の溝に落ちているところが発見された。

 バスの運転手と車掌は死んでおり、頭は異常な方向を向き、遺体は一晩でひどく腐敗していた。それ以降、清朝の服を着た3人の姿を見た者はいない。

 この話にはいくつかのバージョンがある。他のバージョンでは、バスのナンバーが330となっているなど、細かな設定が異なっているそうだ。物語の具体的な文章は中国の有名なホラー小説家である張震が書いた可能性があり、その原型は世界中に存在する「最後の深夜バス」であるといわれている。他には、中国の有名歌手ナ・インが1995年以前にラジオ番組で同様の話をしたことがあるが、その時は具体的なバスの路線は言っていない。1994年には、北京晩報がバスの失踪事件に関する記録はないと否定している。

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