呪われた家族「ブルース・リーの息子射殺」「フォン・エリックの悲劇」と「ケネディのジンクス」
“呪い”は家族という集団をもターゲットにできるのだろうか。その不幸の連続から、家族全体が呪われていたとしか思えない6つのケースを英紙「Daily Star」が紹介している――。
■フォン・エリック一家
1970年代と1980年代、米テキサスに本拠を置くフォン・エリック一家はプロレス界の名門一家であった。日本ではアントニオ猪木やジャンアント馬場とも名勝負を繰り広げている。
プロレスラーとして活躍した後にテキサス州でプロモーターを務めていたフリッツ・フォン・エリックは妻との間に6人の息子がおり、長男は幼少期に事故死したものの、ほかの息子たちは成長すると相次いでレスラーとしてデビューを果たした。
ところが1984年2月10日、三男のデビッドが全日本プロレス来日時に内臓疾患により急死(享年25)。次いで1987年4月12日、五男マイクがオーバードースにより死亡(享年23)。さらには1991年9月12日、六男のクリスが拳銃自殺で死去(享年21)し、1993年2月18日には、四男のケリーがコカイン他の違法薬物使用により起訴されて有罪になり、同日に自宅で拳銃自殺を図った(享年33)。
こうしてレスラーとして活躍していた5人の兄弟のうち4人が10年の間に相次いで病死・自殺などで怪死したことから、フォン・エリック一家は“呪われた一家”というレッテルを貼られることとなったのだ。
ちなみにフォン・エリック一家の実話を基にした映画『アイアンクロー』(原題:THE IRON CLAW)が今年4月に日本で公開される予定だ。
■ケネディ家
有名な歴史的事件である1963年の“JFK暗殺”だが、実はその前には兄のジョゼフと妹のキャスリーンは飛行機事故で亡くなり、もう一人の妹のローズマリーはロボトミー手術を受けて後遺症を負っている。
ジョン・F・ケネディの生後2日の息子パトリックは1963年に亡くなり、息子のジョン・F・ケネディ・ジュニアは1999年の飛行機事故で妻のキャロリンとともに亡くなることになる。 ロバート兄弟は1968年に銃撃され、もう一人のテディは1969年に橋から車を転落させて28歳の乗客を死亡させ、彼の大統領への希望を潰えさせた。
その他の死亡事故にはスキーやカヌーによる死亡事故もある。伝説によると、JFKのアイルランド人の曾祖父トーマス・フィッツジェラルドが1838年に呪われた宝物を掘り出したことが、一家の不運の始まりだったという。
大統領の妻、ジャクリーンが再婚後、不運なオナシス家にその“呪い”を引き継いだのだという指摘もあるようだ。
■グリマルディ家
グリマルディ家は何世紀にもわたって地中海のモナコ公国を統治してきた。しかし14世紀にレーニエ大公が美しい乙女を誘拐し強姦した後、彼女は魔女となり、結婚では決して本当の幸せを見つけられないように「グリマルディ家の末代に至るまで、皆幸せな結婚はでない」とグリマルディ家を呪ったといわれている。
1982年、レーニエ3世大公の妻で女優のグレース・ケリーが自動車事故で亡くなったとき、この“呪い”が再び取り沙汰されることになった。
娘のキャロライン王女はその後離婚し、2番目の夫がスピードボートの事故で亡くなった後、未亡人となった。もう一人の娘ステファニー王女も二度離婚している。
■ギネス家
「ギネスビール」で知られるアイルランドの醸造家アーサー・ギネスは1759年にビール醸造会社を設立して成功を収めた。しかし私生活では21人の子供のうち10人を亡くし、多くの子孫も悲劇的な運命をたどっている。
その中には、1944年にテロリストによって暗殺されたモイン卿や、1966年に自動車事故で21歳で亡くなった相続人タラ・ブラウンも含まれている。
1978年だけでも、イタリアで35歳のヘンリエッタ・ギネス夫人が橋から飛び降りて死亡し、4歳のピーター・ギネスが自動車事故で死亡、デニーズ・ギネスがオーバードースで死亡した。つい最近の2020年には、ギネス相続人のオナー・ウーロス氏が事故による溺死で亡くなっている(享年19)。
■リー家
ブルース・リーの長男、ブランドン・リーは『クロウ/飛翔伝説』の撮影現場で不慮の事故に遭い死亡した。
1993年に28歳の俳優ブランドン・リーが映画『クロウ/飛翔伝説(原題:The Crow)』の撮影現場で誤って射殺されたとき、家族の呪いの噂が再燃した。
彼の父、格闘技界のレジェンドであるブルース・リーは、1973年に薬物に対するアレルギー反応による脳浮腫により32歳で亡くなった。ブルースの父親リー・ホイ・チュエンは、彼の家族に息子が早世するように呪った中国人商人のグループがいることを示唆していたという。
■ネパール王家
伝説によると200年前、ネパールの初代王プリトビ・ナラヤン・シャーは、食事を拒否したことでゴラクナートと呼ばれるヨギを怒らせ、その結果、彼の家族は10代にわたってしか統治できない呪いをかけられたと言われている。
2001年、この国の第10世代のディペンドラ皇太子が自身の父親、国王、母親、そして他の7人の王族を虐殺したとき、この呪いは劇的なスタイルで成就したといえる。
その後、ディペンドラ皇太子は拳銃自殺した。彼は昏睡状態にある間に短期間王に即位したが、3日後に亡くなった。叔父のギャネンドラが跡を継いだものの、後に追放され王政は廃止されたのだ。
■ハプスブルク家
ハプスブルク家はオーストリアに拠点を置いた有名な王朝で、その何世紀も前に呪われたといわれている。
ターンファルケン(Turnfalken)と呼ばれる翼の生えた幽霊が、1793年に断頭台で処刑された最も有名なフランス王妃マリー・アントワネットを含む家族の死の直前に現れた。
その後、ハプスブルク家の統治者フランソワ・ヨーゼフ1世が息子を処刑した後、伯爵夫人が別の“呪い”を彼に与えたという。さらに恐ろしいことに、彼の妻は射殺され、一人息子は自殺し、甥のフランツ・フェルディナンド大公は1914年に暗殺(サラエボ事件)され、ヨーロッパ全土に第一次世界大戦を引き起こした。
はたして家族のメンバー全員が呪われることがあるのか。いずれにしても呪われているとしか思えない一族がいるのは厳然たる事実のようである。
参考:「Daily Star」ほか
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