秘伝の毒殺技術、乱交パーティー…! ヤバすぎる一族「ボルジア家」の血塗られた歴史

 歴史を紐解けば、権力の掌握と維持・拡大のためには手段を選ばなかった残虐非道な暴君や独裁者は決して少なくない。その多くは政治や軍事の世界、あるいは実業界から登場してくるが、宗教界から出現してくる場合もある。15、16世紀にイタリアで繁栄し2人のローマ教皇を輩出した貴族の家系「ボルジア家」はまさに宗教的指導者の立場を最大限に利用して謀略と強欲の限りを尽くした一族であった。


■最も世俗化した史上最悪のローマ教皇が誕生

 スペインのバレンシア地方を地盤とする貴族「ボルジア家」から待望のローマ教皇・カリストゥス3世が輩出されたのは1455年4月のことであった。

 13世紀半ばからはじまった神聖ローマ帝国の弱体化により、当時のイタリアではローマ教皇庁領をはじめ、ナポリ王国、フィレンツェ共和国、ミラノ公国、ヴェネツィア共和国などが帝国の支配から抜け出して分離独立の構えを見せていた。ローマ教皇庁はまた、神聖ローマ皇帝との宗教対立にも直面しており、カトリックの最高位であるローマ教皇であっても群雄割拠のこの時代にあってはじゅうぶんな影響力を持つことはなかったと考えられる。

 それでもボルジア家にとっては快挙といえるローマ教皇・カリストゥス3世の就任であったが、その時点で66歳とすでに高齢で、病気がちでもあったため、さしたる活躍を遂げることもなく在任期間3年で没してしまう。功績といえるものもなく人々の印象に残らない教皇であったが、ボルジア家に対しては手柄をあげていた。在任中にカリストゥス3世は甥のロドリーゴを教皇に次ぐ聖職階位である枢機卿に登用することに成功していたのだ。

秘伝の毒殺技術、乱交パーティー…! ヤバすぎる一族「ボルジア家」の血塗られた歴史の画像1「アレクサンデル6世」ことロドリーゴ・ボルジア 画像は「Wikipedia」より

 この当時のローマ教皇庁は、その歴史上最も“世俗化”していたとも言われ、ロドリーゴもまた例に漏れず金儲けと色欲に堕していたといわれており、一説では数人の私生児を愛人たちに産ませていたということだ。そして1492年7月、インノケンティウス8世が亡くなったことで、“七光り”の枢機卿・ロドリーゴとボルジア家に再びチャンスが到来する。

 次の教皇の座は、ロドリーゴを含む3人の有力な枢機卿によって争われることになったのだが、ここでロドリーゴは他の2人の枢機卿に対して一族の財産を投じたなりふり構わぬ大盤振る舞いの買収工作に出たのだ。事前の大方の予想では、ロドリーゴが教皇になる可能性は極めて低いと見られていたが、多かれ少なかれこの時代の他の枢機卿も堕落しており買収工作は成功。こうして“暴君”ロドリーゴの時代が幕を開けたのだ。

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