妖精? “小さな人々”は実在するのか!?世界中の神秘的な証拠を徹底解説!

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 我々と同じ類人猿のサルには実にさまざまな種がいるが、人間には亜種が存在していない。しかし本当にいないのか。そこで浮上してくるのが多くの文化で語り伝えられている“小さな人々”である。

■世界各地に伝わる“小さな人々”

 世界各地で“小さな人々”の存在が語り伝えられている。そうしたものの多くは神話やおとぎ話などのファンタジーなのだが、これほどユニバーサルな存在である“小さな人々”であるだけに、神話の原型以上のものである可能性はあるのだろうか。

■古代ギリシア人たちの言及

 古代ギリシアの学者、歴史家、哲学者の何人かがこれらの伝説的な“小さな人々”について言及している。アリストテレスの『動物誌』(紀元前300年)で、伝説の“小さな人々”であるピグミーについて彼は次のように記している。

「これらの鳥(ツル)は、スキタイ(現代のユーラシア)の草原から、ナイル川の源流であるエジプト南部の湿地帯(エチオピア)に移動します。ちなみにツルがピグミーと戦うと言われているのはここです。話は素晴らしいものではありませんが、実際にはここに小人の種族があり地下の洞窟に住んでいて、馬はほとんどいませんでした」

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「Ancient Origins」の記事より

 一方、ローマ帝国期のレムノス島出身の著述家、ピロストラトスも同様の記述を残している。

「そしてピグミーに関しては、彼らは地下に住んでいて、ガンジス川の反対側を占め、すべての人が関係した共同体であったと彼は言いました」

 ピロストラトスはまた半神の英雄が別の半神で巨人の戦士を殺し、その後眠りに落ちたというヘラクレスについての神話の記述を引用した。ヘラクレスは倒した巨人がピグミーに関わっていることを知らず、ピグミーが戦いを見て悲しんでいることも知らなかった。

 彼はさらにピグミーが食料を貯蔵し、小さな馬を飼い、トンネルの地下に住んでいたことを詳しく説明し、ヘラクレスが眠りについたとき、彼らは波のように地下からうねり出てきて、彼を縛って捕まえようとしたという。

■現代の科学的発見

 2019年にジェイソン・デイリー氏が「Smithsonian Magazine」に寄稿した記事で“巨大な鳥に食べられた”というネアンデルタール人の“小さな人々”が発見された遺跡を解説している。

 遺跡は約11万5000年前のもので、現代のポーランドであるキエムナ洞窟(Ciemna Cave)で発見された。そこには巨大な先史時代の鳥に捕食され消化管を通過したことを示すヒト族および動物の骨が発見されたのだ。

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「Ancient Origins」の記事より

 ネアンデルタール人の遺体は少なく、ヒトのものと思われる骨はきわめて小さいことから、研究者はこれが小さな子どものものであると考えているが、子どもではなく“小さな人々”である可能性もないわけではないだろう。

 いずれにせよ、これらの骨が非常に小さな人間の亜種や幼児のヒト族に属していたとしても、先史時代の非常に遠い過去に、ホモサピエンスではない小さな人間が巨大な鳥に襲われて食べられたのは事実である。現代の生物学者は、さまざまなツルの種の移動パターンを徹底的に研究しており、実際にツルのいくつかの種は、ユーラシアの沼地からエチオピアまで移動する。

■古代エジプト神話の神「ベス」

 古代エジプトの神話には、あらゆる種類の神や怪物などが登場するかその中でも「ベス」は独特である。

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画像は「Wikipedia」より

 ほかのエジプトの神々とは異なり、奇妙なことにベスは真横から描かれることはなく、常に正面の2次元描写か3次元の彫像として表現されていた。ベスは、いくつかの微妙な擬人化された特徴を備えた小柄な人間として描かれていた。

 ベスは瀟洒な寺院で讃えられる神ではなく、戦士の服に身を包んだ彼の偶像が守っていたのは一般の住居であった。彼は音楽、保護、出産、そして家庭の喜びの神であった。しかし、おそらくベスの最も興味深い側面は、ベス信仰が新王国時代にのみ広まったという点で比較的新しく、これは南部(ヌビア、ソマリア、エチオピア)から導入された結果であるということだ。

 古代ギリシア人はこれらのピグミーがエジプトの南に住んでたことを暗示し、ベス信仰が生まれたのもこの同じ地域からであることを示唆している。

■ピグミーとピラミッド

 ユカタン半島の東側にある現在のメキシコには、古代マヤ遺跡であるウシュマルの遺跡がある。この古代マヤの複合施設は、最も重要なものの1つとして保持されており、その大きくて印象的な構造で有名だ。

 これらすべての建造物の中で最も印象的で古代のものの中には、魔術師のピラミッドであるエルアディヴィーノがあり、ドワーフ(小人)のピラミッドとしても知られている。

 名前の由来は、このピラミッドが神秘的で力強い“小さな人々”の信じられないほどの偉業によって構築されたことからきている。

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「Ancient Origins」の記事より

 イツァムナ(Itzamna)という名前の小人の魔術師の神が、彼の力と魔法だけを使用して一晩でピラミッドを構築したという話が残されている。

 神話の別のバージョンでは、魔女が卵を介して小人を産み、この奇跡的な男の子に注目した王は、一晩で寺院を建てなければ死刑にすると命じた。

 この小さな男の子は普通なら不可能なチャレンジを完了してからこの王を殺し、ウシュマルの新しい支配者になったという。

■“小さな人々”のつながり

 先史時代のハワイ諸島に住んでいたといわれる、伝説上の小人族が「メネフネ」だ。

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「Ancient Origins」の記事より

 メネフネはポリネシア人が到着するずっと前からハワイ諸島に住んでいたと言われ、高台の寺院や人工養魚池のような印象的で巨大な建物の建設を担当した。

 ハワイの人々はメネフネはこれらの建造物を建設するために夜にしか出てこないと信じており、彼らの目標は常に一晩で建設を完了することであるという。マヤのピラミッドの物語と同じく、廃墟の寺院やまだ機能している養魚池のような物理的な証拠が遺されていることが興味深い。

関連記事:ハワイの伝説の小人族「メネフネ」は今も生き続けているのか

■ピグミーの女王「ゲラーナ」

「ホメロス」の叙事詩である「イリアス」(紀元前8世紀)でピグミーはツルと絶え間なく対立していたことが記されている。

 その理由はピグミーの女王であるゲラーナが、自分の美しさはヘーラーを超えたと自慢したことに端を発する。これを聞いたヘーラーは激怒しゲラーナをツルの姿に変えてしまったのだ。ピグミーの領地にツルの姿のまま帰ったゲラーナは追い払われ、以来、ピグミーとツルの間に終わりのない対立が引き起こされたという。

■ネイティブアメリカンによって報告された“小さな人々”

 ネイティブアメリカンの部族の大多数は“小さな人々”についての伝承を持っている。それらに共通する要素には、音楽を演奏して子どもたちを森に誘い込むようないたずらな行動が含まれている。

 古代ギリシア人や北大西洋の人々と同様に、ネイティブアメリカンはこれらの小さな人々は洞窟に住んでいて、潜在的に危険である可能性があると信じていた。たとえばモンタナ州のプライアー山地は、クロウ族が彼らの神聖な祖先であると信じている“小さな人々”の故郷であるといわれている。

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「Ancient Origins」の記事より

 クロウ族は“小さな人々”の領土であると彼らが認識しているエリアに入ることにきわめて慎重である。興味深いことに、プライアー山地は、失踪、妖精の輪、異常な目撃の報告などの奇妙な現象が多発する“ホットスポット”だ。

 世界各地に伝わる“小さな人々”は今もどこかで生き永らえているのだろうか。

 その意味で重要な指摘となるのが地上に残されたフロンディアとも言える洞窟などの未知の地下世界である。一説によれば地下世界の99%は人類にとって未踏の領域であるともいわれている。この地下世界に“小さな人々”が今も身を潜めていると考えてみるのも一興かもしれない。

参考:「Ancient Origins」ほか

 

※当記事は2021年の記事を再編集して掲載しています。

TOCANA編集部

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