筒状の体、テレパシー、透視能力も?宇宙人の“本当の姿”について識者がガチで考えてみた結果…!

Pete LinforthによるPixabayからの画像

本記事は2016年の記事の再掲です。

 宇宙人はどのような姿をしているのだろうか? そんなことを考えたことはないだろうか。つい最近も、太陽系から4光年先に水が存在する可能性が高い地球のような惑星が発見され、さらに9光年先から届く「強いシグナル」も検出されるなど、地球外生命の存在がにわかに注目を集めている。もちろん、科学界でも地球外生命体の姿や能力は、真面目に考察されてきた経緯がある。

 そこで今回は、宇宙人の姿形について、オカルトにも造詣が深く生物学に詳しい理学博士X氏と、SF好きの生物系理学博士Y氏に思う存分語っていただくことにした。


■地球上の生命に似ているのか? 似ていないのか?

――まず、宇宙人はどのような姿をしていると思いますか?

X「とりあえず人間みたいなものではないと思います。宇宙人というと、いわゆる『グレイタイプ』を思い浮かべる人が多いみたいだけど、まずあんなに人間じみた姿形ではないんじゃないかと」

Y「でも、人間型かどうかはともかく、地球上にいる何らかの動物に似ている可能性は高いんじゃないですか? 環境が似ている場所で進化した、まったく別種の生物が似通った姿になるという現象を『収斂(しゅうれん)進化』というんですが、こういうことは地球上でも見られます」

――Yさんはオカルト好きとはいえ、宇宙人には否定的立場と聞いていました。でも実は宇宙人はいると思っていらっしゃるんですね?

Y「地球外生命体はいると思いますが、それがすでに地球にやって来ていて、人体実験をしたり、ウシを掠ったりはしていないと思うということです」

X「女性からストッキングを奪ったりしてるかも」

Y「そんな宇宙人は嫌です」


■岩やガスのようにしか見えない可能性も?

――では、地球外生命体の姿形について、具体的にどのように考えていますか?

Y「光をエネルギー源とするなら、藻類とか微生物みたいな生物の可能性が高いでしょうね。単細胞生物なら、火星など太陽系内の惑星や衛星にも存在していてもおかしくない」

X「食事をとってエネルギーを得る生物なら、口と肛門がついた筒状の姿でしょう。これは地球上のすべての動物の基本形なんですけど、地球外生命にも共通しているんじゃないでしょうか」

Y「岩とかガスとか、我々にはとても生物とは思えないような形状をしている可能性もありますよ」

X「その場合、どうやって生物と判断したらいいんでしょうね? 意思の疎通ができれば確実ですけど……」

Y「うーん、代謝や生殖の有無ですかね」

X「生物の定義はとても難しい問題ですよね。いまだにウイルスが生物か非生物か議論されているくらいですし」

Y「もしそういう地球外生命体が見つかったなら、生物の定義が一気に変わるのは確実でしょうね」


■地球上の生物と同じ体組織だった場合……戦慄の展開!

――では、そんな地球外生命体がいたとして、DNAやタンパク質などはないのでしょうか?

Y「何らかの遺伝情報の記憶・複製システムは持っていると思います。体組織にもタンパク質に近いものが利用されている可能性はもちろんあります。ただ、地球上の生物と同じものを持っているとは思えません」

X「もしも同じものを持っていたとしたら、それは先祖が同じということになります」

Y「JPホーガンのSF小説『星を継ぐもの』のように、我々は地球外生命の子孫ということになるんですかね」

X「あるいは、宇宙人が自分たちに似せて我々を作ったのかもしれませんよ」

Y「もしかして、空飛ぶスパゲッティモンスターかも。それはそうと、炭素ではなくケイ素とか、別の原子をベースにしている可能性はありますよね」

X「リンとかホウ素、硫黄なんかの可能性もありますね。いずれにせよ、その生命が生まれた環境に豊富にあるものが選ばれるはずです」

Y「姿形と一緒ですよね。生活する環境に適するようにできているはず。感覚なども我々とは違っている可能性がある」

■地球外生命体は超能力者!?

――感覚が違うとは、いったいどういうことですか?

Y「我々にはいわゆる五感がありますが、例えば視覚や聴覚がなく、何か別の感覚で世界を捉えてる地球外生命がいてもおかしくはないと思います」

――つまり、地球人には見えない波長の光が見えたり、聞こえない音が聞こえたりとか、そういうことですか?

Y「そういうのもあるかもしれませんが、もっと別な、我々には超能力としか思えないような能力、例えば『テレパシー』や『透視能力』とかを持っていても不思議はないでしょう」

X「地球の生物にはない感覚器官を持っていてもおかしくはないですよね。重力を敏感に感じ取るとか」

Y「時間の感覚だって違っている可能性がありますよね。テッド・チャンのSF小説『あなたの人生の物語』に出てくる宇宙人みたいに、意識の中で過去と現在と未来を区別しないかもしれない」

――意識そのものが違っているということですか?

Y「はい。姿形だけでなく、意識の持ち方さえ千差万別だと思いますよ。それこそスタートレックの異星人たちのようにバラエティ豊かでしょうね」


■グレイタイプばかりで、つまらない!

――お二人とも、グレイタイプはお嫌いですか?

X「嫌いというか……宇宙人がいたとして、それがあのグレイみたいなものだなんて思いたくないですよね。昔は宇宙人ってもっといろいろ種類ありましたよね。火星のタコとかフラッドウッズモンスターとか」

Y「そうそう、あんな人間じみたものだなんてゾッとする。映画やドラマの影響でしょう。人は自分に似せて『宇宙人』を“作った”んですよ。映像のインパクトは強いから、今じゃ多くの人が宇宙人=グレイとすり込まれている。だから目撃談も自ずとグレイばかりになるんでしょうね」

X「ネットに上がっている動画なんかもそうですね。どれもこれもグレイタイプばかりで本当につまらない」

Y「うん、ロマンが足りない。アメリカ政府と陰謀を企んでるようなのはダメですよ。せめて映画『インデペンデンス・デイ』みたいに、思いっきり街を焼き払ってくれないと」

X「もっと平和に、庭先に降りてきてパンケーキ焼いてくれるかもしれませんよ」

Y「はいはい、金髪美女だといいですね」


 最後はかなり辛辣な意見も飛び出していたが、理学博士らの想像する地球外生命体はいかがだっただろうか? 結局のところ、まだ見つかっていないのだから好き勝手に想像すればよい、というのが両氏共通の意見だった。しかし、宇宙人の姿形がグレイ一辺倒に偏っているのは、少なくとも生物という存在に対して我々の理解が不足していることの表れなのかもしれない。宇宙にはどんな生命が存在するのか、我々はもっと自由に想像してよいのだ。

(吉井いつき)

TOCANA編集部

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