実在した「顔のない男」が都市伝説に…『グリーンマン』の13の悲しい真実と正体!

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 夜道を歩く緑色の怪物がピッツバーグの子どもたちを震え上がらせていた。都市伝説“グリーンマン”について13の真実があるという。

■“グリーンマン”についての13の真実

“グリーンマン”または“顔なしチャーリー”は、多くの不気味な物語に登場する名前の1つである。1950~60年代にペンシルベニア州西部で育った地元の人々は、夜道を歩く“怪物”の話を語り伝えられている。

“都市伝説”となったグリーンマンだが、彼はレイモンド・ロビンソン(1910-1985)という名前の実在の人物である。そしてこのグリーマンにまつわる13の事実があるという。

“グリーンマン”ことレイモンド・ロビンソン 画像は「Wikipedia」より

1.レイモンド・ロビンソンは不幸な事故の犠牲者である
 レイモンドは子どもの頃、鳥の巣を間近で見ようと電柱に登った。その電柱が支えている電線の電圧は特別に高いもので、人を感電死させるにじゅうぶんなものであった。実際にその前年に同じ電線で別の少年が感電死している。

 電線に触れて感電し瀕死の状態で病院に運ばれたレイモンドであったが、奇跡的に助かることになる。しかし残念ながら、彼は治療の過程でひどく傷つき、目と鼻、片方の腕を失ったのだ。

2.ドアマット、財布、ベルトの製造を生業としていた
“グリーマン”も仕事をしていた。ペンシルベニア州ビーバー郡のコッペルに親族と共に暮らしていたレイモンドであったが、生計の足しにするためにドアマット、財布、ベルトを作って売っていた。隣人と話すことはあまりなかったという。

3.夜の散歩が日課だった
 その外見のため、日中に外出することはめったになかったレイモンドだが、夜が更けてからの散歩が日課であった。もっぱら州道351号(Route 351)を杖を突きながら長時間歩いていた。

 夜の散歩中のレイモンドを目撃した人の中には、“モンスター”ではないかとショックを受ける者も少なくなく、その恐ろしさが語り伝えられ“グリーンマン”の都市伝説が生まれたのだ。

4.散歩中に多くのトラブルに見舞われた
 レイモンドに同情する人もいれば、酷く扱った者もいた。彼はしばしば車に乗せられて遠く離れた場所で降ろされる体験をし、何度も暴行を受けている。

 車に接触する交通事故にも何度も遭っている。そのためレイモンドは車が近づいてくる気配を感じると歩みを止めていた。

 幾人かの心無い人々はビール瓶に排尿してそれをレイモンドに与えることさえした。勧められるがままに瓶を傾けて酷い目にあったレイモンドはその後、一度栓を抜いた瓶を渡されても飲むことはなかった。

「Museum Facts」の記事より

 さらに酷い暴行を受けてからはレイモンドは拳銃を持つようになったともいわれている。

 しかしこうしたトラブルにも関わらず、レイモンドは夜の散歩の日課を止めることはなかった。


5.なぜ“グリーン”なのか
 レイモンドは、さまざまな理由でグリーンマンとしての評判を高めた。なぜ“グリーン”なのかについては、感電で肌が緑色に変わったからだと言う人もいれば、感染症が原因だと言う人もいた。

 怒るとグリーンに変色するのだと言う人もいれば、着ていたストライプ縞のシャツが車のヘッドライトで照らされて緑に輝くとの説明もあった。しかしそれらは人々が想像力を膨らませた結果の産物であるかもしれない。

 ちなみに別名の“顔なしチャーリー”についての由来は不明である。

6.グリーンマンをおびき寄せる“エサ”
 グリーンマンを一目見たいと思っている人に向けて、彼をおびき寄せる“エサ”があるという噂も流れた。

 実際にレイモンドはビールを飲み、タバコを吸っていたのだが、このビールとタバコを“エサ”にしてグリーンマンをおびき寄せることができるのだと、まことしやかに伝えられていた。

7.グリーンマンは親切な男であった
 地元の人々の多くはグリーンマンに怯えていたが、しかし彼に会った人々は彼は親切な人物だと話していて、その見た目で酷い扱いを受けているレイモンドに同情する人もいた。

 彼はまた多くの人々にインスピレーションを与えていた。レイモンドは決して不平不満を口にすることはなく、今の自分の状況に腹を立ててはいなかった。人と違っていても大丈夫なのだというメッセージを発し、結局多くの人々に影響を与え“レジェンド”となったのだ。

8.子どもたちは警察に通報しようとした
 地元の子どもたちの多くは夜道を歩くレイモンドを見て怪物であると恐れた。その結果、子どもたちは両親のもとへ行き、警察に通報するように頼むケースが多かったという。そして両親らは彼が誰であるかを子どもたちに説明したのだった。

9.地元警察はグリーマンを利用して収入を増やした
 好奇心旺盛な人々は、レイモンドが歩いたエリアの近くで車を停めて交通渋滞を引き起こすことがよくあり、彼らは車から出てレイモンドと話をしようとした。

 地元警察はこの現象にチャンス(!?)を見出し、立ち止まった人々に駐車違反の切符を次々に切ったのだった。

10.“グリーンマントンネル”がある
 レイモンドの夜の散歩コースにある「パイニーフォークロード」のトンネルは、“グリーンマントンネル”と呼ばれ、地元の人々はここを不気味な心霊スポットであると説明している。そして夜にこの場所に出没する緑の男の幽霊が出るのだという話を語り伝えている。

「Museum Facts」の記事より

11.グリーンマンは1985年に亡くなる
 レイモンドは人生の終盤になって養護施設で暮らすようになり、必然的に夜の散歩を止めることになった。1985年に74歳で亡くなり、ビーバー郡の彼の墓は事故の1年前に感電死した少年の隣にあるということだ。

12.でっちあげられた伝説
 レイモンドはペンシルベニア地域で“レジェンド”となり“都市伝説”になったのだが、彼についても物語は時折過度に尾ひれがつくこともあった。グリーンマンは道路を歩き回って人々を追いかけ回していたと語る人もいれば、彼がグリーンに輝く幽霊であると人に話す者もいた。

13.伝記映画はお蔵入り?
 グリーンマンは、アメリカで最も有名な都市伝説の1つであり、映画化されるのもある意味では当然である。 映画製作者のティシャ・ヨーク氏は、グリーンマンの伝説に基づいた映画『route 351(ルート351)』を作ることを計画し、当初、公開を2009年に予定していたのだが、リーマンショックによる大不況のために延期され、結局のところ保留されているようだ。

 不運な事故で顔を失ったグリーンマンだが、夜の散歩を日課にして充実した静かな生活をそれなりに楽しんでいた感もある。彼の生き方の中に学ぶべきことがあるのかもしれない。

参考:「Museum Facts」、「Wikipedia」、ほか

 

※当記事は2021年の記事を再編集して掲載しています。

TOCANA編集部

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