賞味期限切れの食品を1年間食べ続けた男!「賞味期限の陰謀」は存在するのか?

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※当記事は2019年の記事を再編集して掲載しています。

 食品の賞味期限。何となく腑に落ちないながらも、従う人が多いのではないだろうか。

 米メリーランド州に住むスコット・ナッシュさんは、オーガニック食料品チェーン店「マムズ・オーガニック・マーケット」のオーナーで、「環境保護主義を忠実に実践する者」を自称する男性だ。ナッシュさんは、ある出来事から賞味期限について疑問を抱き、消費者意識を高めるために、自ら賞味期限切れの食品を1年間食べ続ける実験を行ったのだ――。

■賞味期限切れ食品を食べ続ける“人体実験”

 ナッシュさんはある年の春に、バージニア州に所有している古い小屋の冷蔵庫にヨーグルトを忘れていき、秋にその小屋を訪れた時にそれを見つけた。

 そのヨーグルトはすでに賞味期限を半年過ぎていたが、彼はかまわずスムージーと古いヨーグルトを混ぜて飲みほした。そのヨーグルト入りスムージーは、別に味もおかしくなく、また飲んだ後に健康上の問題もまったくなかった。

 ナッシュさんが、実験のアイデアを思いついたのは、問題ないと確信したその時である。ナッシュさんは、企業が賞味期限を使う理由について考え始めたのである。

「賞味期限はとてもあいまいです。『期限切れ』とは一体どういう意味でしょう?」とナッシュさんは語る。そして自身のブログで次のように言及した。

「米国の食品には『best by(この日付までが最適)』、『sell by(この日付まで販売可能)』、『best if used by(この日付までの使用が最適)』等の紛らわしい表示がある。これらには何の一貫性もなく、それが消費者の混乱を招いている」

 具体的な改善案としてナッシュさんは、食品(および非食品)の日付システムを変える必要があると考える。ラベル表示を一貫したものにすることによって、「最高品質の期限」や「使用期限」などの品質を示す用語と、消費者の健康のために設定された「食用期限切れ日時」の違いを明確にできるからだ。

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 そしてこれが重要なのだが、製品に付けられる日付は、現実的に設定する必要がある。例えば使用期限を付けた製品の中には、塩、缶詰、赤ちゃん用おしりふきなど、使用期限をまったく必要としないものもあるからだ。

 ナッシュさんと家族が行った1年間にわたる実験の間、彼らは1年前のトルティーヤ、7カ月から9カ月前のヨーグルト、賞味期限を数週間過ぎた肉、数カ月過ぎたホイップ用生クリームなど何でも食べたという。

 ナッシュさんはある時、冷蔵庫に数カ月放置されてカビが生えてしまったバターを見つけた。彼は、そのバターからカビを削り取り、調理に使ったが、家族全員何にも問題がなかった。

■“賞味期限”は企業や業界全体による“陰謀”なのか

 もちろんナッシュさんは、人々に有害な物を食べることを勧めているのではない。

「いくつかの食品は本当にダメになっており、それを捨てるのは理にかなっています。しかし多くの場合、廃棄される食品の大部分はこの『使用期限』によるもので、本当に悪くなってはいない製品なのです」と、ナッシュさんは説明している。

 そして多くの消費者は企業が記しているこの「使用期限」によって、いわゆる「消費者不安症」に陥っているのだと語る。

 ナッシュさんはブログ上で、理解できないおかしな例として、2020年が使用期限となっている2億5000万年前の塩、実際には何十年もの間、食用に適するはずの缶詰や瓶詰め食品の使用期限などを挙げている。そしてさらに奇妙なのは、赤ちゃん用おしりふきや歯磨きで、それらの商品には疑わしいほど短い有効期限が印字されていると指摘する。

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「Oddity Central」の記事より

 ナッシュさんは、人々に「計画的短命化」、つまり消費者がまだ使える製品を捨てることを奨励するマーケティング戦略について警告する。

 そして、これらのマーケティング戦略は本当に狡猾で、メーカー側の誠実さについて疑問を抱かせると話す。企業はこれら「期限」を、どんな製品にも付けており、企業や業界全体による「計画的短命化」が行われていること、そして、消費者が期限を守って製品を捨てれば、企業は明らかに利益を得ると指摘する。

 FDA(アメリカ食品医薬品局)や専門の研究者、および食料品製造業は、より明確で実際的な使用期限をラベルに記載することが、食品廃棄物を減らすのに役立つことに同意はしている。しかし、有効期限を規制する連邦法がないために、メーカーはどんな期限でも自由に製品に付けることができてしまう。

 日本は米国とやや状況が異なり、傷みやすい食品には「消費期限」、劣化が比較的遅い食料品には「賞味期限」が記載されているが、どちらの日付も食品が実際にダメになるよりは、かなり短く設定されている。日本ではコンビニの食品廃棄も深刻な社会問題となっており、ナッシュさんが我が身で行った実験は非常に意味のあるものと思うがどうだろう。

参考:「Oddity Central」、ほか

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文=三橋ココ

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