悪名高い“スタンフォード監獄実験”は嘘だった!?その実態が暴露される!
環境と地位は人間を根本的に変えてしまうのか――。50年前に行われた残酷な心理学実験「スタンフォード監獄実験」には実は意図的な指示があったことが暴露されている。
■「スタンフォード監獄実験」の実態を暴露
1971年8月、米スタンフォード大学心理学部の心理学者、フィリップ・ジンバルドー(1933-2024)氏の指揮下で、校舎の地下の仮設の監獄で、24人の若い男性ボランティアがランダムに「囚人」と「看守」の役割に割り当てられる「スタンフォード監獄実験」が行われた。
実験のテーマは、人間は特定の状況で特定の役割を与えられることで、その期待に沿う行動をとるようになるのかどうかを検証することであった。つまり環境と条件が人を変えるのか、という問いである。
2週間の予定で組まれた実験であったが、実験開始2日目から看守役を演じたボランティアが囚人を精神的に拷問しはじめた。
囚人は裸にされ、フードをかぶせられ、鎖につながれ、食事も睡眠も与えられずにトラウマを負い、半数が神経衰弱に陥ったため実験は6日目に中止された。
この「スタンフォード監獄実験」でジンバルドー氏は、普通の人々が残酷な看守と受動的な囚人に変貌したことは、社会状況が人間の行動を堕落させる力を持っていることの証拠であると主張した。つまり環境と条件は人を変え得るということである。
この実験から得られた教訓は刑務所以外のさまざまな状況に応用され、企業詐欺、軍隊の拷問、カルト行為、さらには大量虐殺を説明する傍証としても使われた。
フランスの学者ティボー・ル・テキシエ氏が2018年に出版した本の英訳『Investigating the Stanford Prison Experiment: History of a Lie(スタンフォード監獄実験の調査:嘘の歴史)』が最近出版され、この有名な実験が画策されていた側面が暴露されている。
ル・テキシエ氏は「スタンフォード監獄実験」のアーカイブ資料、未公開のビデオ映像、各種の文書を検証し、そして看守、囚人、研究チームのメンバーを含む参加者への詳細なインタビューを行って実験の実態の全容に迫った。
検証の結果、2日目から発揮されるようになった看守の残忍さが事前にリハーサルされていたことが突き止められたのだ。看守役のボランティアは実験前には研究チームから監獄内で心理的に敵対的な環境を作り出す方法について指導を受けていたのである。
ジンバルドー氏は看守たちに、囚人の“非人間化を”目的とした規則と手順のリストを与えた。実験が始まると、スタッフは看守たちの攻撃性を奨励し、寛大すぎる看守を叱責したのだった。看守役のボランティアは、この状況下で与えられた役割によって残酷になったわけではなく、事前に残酷になるように指導されていたことになる。
その証拠に実験6日目の時点で囚人たちの反抗に直面していた看守は無気力になっていた。看守は残酷であることに疲れてしまったのだ。これは実験が中止された理由の1つでもあるという。
環境と状況、与えられた役割や地位や“肩書”が当人の人格を変える側面は確かにあるのかもしれないが、ル・テキシエ氏の検証でそれは絶対的なものではないことが指摘された格好になった。
有名な実験であり、その結果が納得のいくものであったとしても、その多くは“再現性”の疑惑を完全には拭い去れない。この件のように巧妙に画策されたものである可能性もないわけではないことになる。科学研究の結論はひとまずは“暫定的”なものであることを常に気に留めておきたいものだ。
参考:「Science Alert」、「ZME Science」ほか
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2024.10.02 20:00心霊悪名高い“スタンフォード監獄実験”は嘘だった!?その実態が暴露される!のページです。論文、実験、捏造、心理学などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで