世界の“ゾッとする”怪奇伝説10選!死者の囁き、森の叫び、そして暗闇の彼方に潜むもの

世界には、その土地に根ざした恐怖の物語が数多く存在する。それらは災厄や事故、戦争、あるいは人智を超えた現象によって生まれ、語り継がれながら独自の進化を遂げてきた。今回は、そんな「現実と隣り合わせの恐怖」を感じさせる10の伝説を紹介する。
1. レックス二等兵 ― 戦場に現れた“亡霊兵士”

第一次世界大戦の塹壕戦。過酷な環境の中、イギリス軍のスミス中尉が率いる部隊の中に、異様に疲れ切ったレックスという若い兵士がいた。無言で歩き続ける彼に声をかけ、ミルクタブレットを手渡した瞬間、その手は氷のように冷たかったという。しばらくして彼の姿は消え、驚いたスミスは捜索を命じるが、返ってきたのは「レックスは3日前に戦死して埋葬された」という衝撃の報告だった――。
スミス中尉はこう語った。「死は怖くなくなった。なぜなら、レックスは死んでなお生きていると知ったからだ」。
2. メロンヘッド ― 密林に潜む奇形の捕食者たち

アメリカ・コネチカット州の森には、巨大な頭部を持つ謎の存在「メロンヘッド」が潜んでいるという噂がある。もともとは魔女として追放された家系の末裔が森で密かに暮らし、近親交配を繰り返した末に変異したとも、あるいは精神病院の火災から逃げ出した患者たちが野生化し、人喰いへと進化したともいわれている。
1980年代、女子高生たちが肝試しに森を訪れた際、乗ってきた車が勝手に動き出し、オレンジ色の光を放つ巨大な頭部の人物が中にいたという証言も残されている。
3. スクリーミング・ウッズ ― 叫びが響くイギリスの森

イングランド・プラックリー村の近くに広がるデアリング・ウッズ。ここは「スクリーミング・ウッズ」と呼ばれ、夜な夜な叫び声が響くことで知られる。1948年のハロウィンの夜には、村人20名の遺体が森の中で無惨に発見されたが死因は不明とされたという。
さらに20世紀末には大学生4人がキャンプに向かったまま消息を絶ったという逸話も語り継がれている。馬車の音や首を刎ねられた山賊の霊が目撃されるなど、映画さながらの伝説が数多く語り継がれている。
4. 黒衣の女 ― オーストラリアに現れる悲劇の花嫁

オーストラリアのブルーマウンテンズ山中、ビクトリア峠に現れるのは“黒衣の女”と呼ばれる幽霊だ。少女時代に悲惨な家庭で育ち、やがて結婚するも不幸が続き、最終的には殺害され路上に遺棄されたキャロライン・ジェームズの霊であるという。
目撃者の多くが「黒いドレスを着た女が突然現れ、車の窓に張り付いてきた」と証言しており、その中には頭部のない姿で現れるケースもある。
5. ユニオンダールのヒッチハイカー ― 永遠に婚約者を待つ霊

南アフリカ・ユニオンダールへの道を車で走ると、雨の夜にヒッチハイクする若い女性を目にすることがある。彼女の名はマリア・ルー。1968年のイースターに婚約者と事故死したとされるが、数年後に再びその姿が現れるようになった。
警察官の前で車のドアが勝手に開閉したという報告もあり、「ポーター通り2番地、デ・ランジェへ」と囁くその声に、多くの人が戦慄しているという。
6. トンネルの怪物 ― トロントの地下に潜むもの

カナダ・トロントのキャベッジタウンで1978年、男性が行方不明の子猫を探している途中で地下トンネルに迷い込み、恐ろしい存在に出くわした。身長90センチほど、赤く光る目を持つ異形の生物は、「出ていけ」と唸ったという。
その後もメディアや研究者たちによって調査されたが、真相は闇の中。一部では、UFOと関連づける説までささやかれている。
7. サリーという名の少女 ― 学校に残る記憶の具現

シンガポールのパヤ・レバー女子校で起きた奇妙な出来事。自殺した生徒サリーを忘れないため、教師がマネキンを制服姿で教室に置いたところ、生徒たちが「マネキンが動いた」と口々に訴えはじめる。
ある朝、教師が教室でひとり仕事をしていたとき、ふと顔を上げると、その“サリー”が目の前で彼女を見つめていたのだという――。
8. 数を数える少女 ― 軍の訓練所で囁かれる恐怖

シンガポール軍が使用するテコン島では、夜になると祖母と少女の霊が兵舎内を歩き回るという。少女は眠る兵士たちを1人ずつ数えながら進んでいくとされ、彼女の声が近づくにつれ緊張が高まる。
現役兵からは「目を開けるな」「祈ってやり過ごせ」という忠告が語り継がれており、開眼してしまった者は巨大な影に包まれるという証言もある。
9. 津波の亡霊 ― 災厄が残す見えない痛み

2004年のインド洋大津波では、膨大な数の命が一瞬で奪われた。その後、被災地では「亡霊」の目撃が相次いだという。観光地ではゴーストツアーが組まれるほど怪異が多発した。
タイのプーケットではタクシー運転手が乗せたはずの10人の乗客が目的地に着いた頃には2人しかいなかったという報告があり、スリランカやインドネシアでも叫び声や幻の影が語られている。
10. 患者9号 ― 響く耳鳴り、そして狂気の果て

最後の伝説はベトナムの男が体験した奇妙な病から始まる。海外旅行後に始まった耳鳴りはやがて悪化し、医師を殺害したことで精神病院に収容される。暴力的な性格と聴覚の喪失により隔離されていたが、ある日突如として部屋を脱出。
両目をくり抜いた彼は血まみれで廊下を歩き、職員を襲い森へと姿を消したという。今も“患者9号”は森の奥で、音のしない世界に潜んでいる。
現実と幻想の境界はときに曖昧になる。そしてその境界のすぐ向こう側に、我々の想像を超えた“何か”が潜んでいるのかもしれない。あなたのすぐ近くにも――。
参考:Listverse、ほか
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2024.10.02 20:00心霊世界の“ゾッとする”怪奇伝説10選!死者の囁き、森の叫び、そして暗闇の彼方に潜むもののページです。心霊、都市伝説、恐怖、伝説などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで