世界中で物議を醸した『シンプソンズ』の放送禁止エピソード10選!日本でも放送禁止回が…

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 アメリカの日常と風刺を30年以上にわたり描いてきた人気アニメ『ザ・シンプソンズ』。だがそのユーモアが、国や文化の違いによって「笑えない」と判断されたことも少なくない。宗教、政治、歴史といった敏感なテーマを扱うことで、放送禁止や編集を余儀なくされた回も存在する。今回は、世界中で物議を醸し、実際に放送禁止となった代表的な10エピソードを紹介する。

日本で完全禁止:「Thirty Minutes Over Tokyo」

 シーズン10の最終話「Thirty Minutes Over Tokyo」は、日本を訪れるシンプソン一家のエピソード。しかし、日本文化をステレオタイプに描いたとして、日本国内での放送が完全に禁止された。特に問題視されたのは、ホーマーが天皇(当時の明仁天皇)を相撲のまわし入れに投げ込むというシーンで、これは日本における皇室への敬意を著しく損なうとされた。また、電気ショックを受けるバラエティ番組の描写や、かつて問題となったポケモン回を思わせる「痙攣ロボット」ネタも不適切とされた。

ブラジルを激怒させた「リサのせいにして」

「Blame It On Lisa」は、リサが孤児支援のためにリオデジャネイロを訪れるという内容だが、ブラジル側から猛抗議を受けた。犯罪が蔓延し、街にはネズミや猿が徘徊、ブラジル人男性は両性愛者、女性は奔放――といった描写が、観光地としてのイメージを著しく損ねるとされたのである。放送自体が中止され、FOXは異例の謝罪声明を発表した。

ドイツではナチス表現が問題に

 シーズン5の「Cape Feare」では、サイドショー・ボブがバートを殺そうとするストーリーが展開される。この中で、ボブがナチスの親衛隊(SS)の制服を着る場面がドイツの放送基準に抵触した。さらに、児童を標的とした暴力的な描写が問題視され、放送には大幅な編集が加えられた。

中国の検閲に引っかかった「グーグー・ガイ・パン」

 この回では、セリマが中国で養子を迎えるために訪れるのだが、天安門広場に「1989年、ここでは何も起きなかった」と書かれた皮肉な碑文が登場し、これが中国当局の逆鱗に触れた。また、毛沢東に対する「5000万人を殺した小さな天使」といったセリフも問題視された。2021年には、Disney+の香港版でも配信が停止された。

英国王室を揶揄した「レジーナ・モノローグ」

 シーズン15のこの回では、ホーマーがエリザベス女王の馬車に突っ込むという無礼な描写が登場。英国王室を軽視したとする批判が相次ぎ、放送に際しては編集が加えられた。また、女王の死去に際して一時的に再放送が見送られるなど、その扱いには慎重さが求められた。

9.11後に放送休止となったニューヨーク回

「The City of New York vs. Homer Simpson」では、ホーマーがツインタワー間に違法駐車した車を取り戻しに行くという内容だが、2001年の同時多発テロ後、このエピソードは一時的に放送を休止された。のちに再開されたものの、ワールドトレードセンター関連のシーンは編集され、現在でも配信には警告が添えられている。

ロシアで信仰を揶揄したとされる「グッドバートを探して」

 このエピソードでは、ポケモンGO風のゲームに夢中になるスプリングフィールドの住民たちが描かれる。ホーマーが教会の中でこのゲームをプレイするシーンが、ロシア正教会を侮辱していると受け取られ放送中止に。過去に実際に教会でゲームをしたブロガーが起訴された事件も背景にある。

マイケル・ジャクソン出演回が後年になって削除

「Stark Raving Dad」は、精神病院でマイケル・ジャクソンの声を持つ患者と出会うという話で、長年人気エピソードの一つとされていた。しかし、2019年のドキュメンタリー『Leaving Neverland』での性的虐待疑惑が報じられたことを受け、過去の関係性を見直す動きが高まり、配信から削除された。

マリファナを推奨?と批判された「バーンズの週末」

「Weekend at Burnsie’s」では、ホーマーが医療用大麻を使い、味覚や気分が改善される様子が描かれる。これがドラッグを肯定するものと受け取られ、シンガポール、マレーシア、フィリピンなどでは放送が禁止された。アメリカ国内でも論争となり、以降の再放送では喫煙シーンのカットやセリフ変更が行われている。

銃社会を風刺した「カートリッジ・ファミリー」

 ホーマーが暴動のあとに銃を買うという内容のこのエピソードは、銃社会を風刺したものだったが、特に銃規制の議論が過熱していたイギリスで問題視された。編集を経て放送されたものの、風刺と推奨の境界線が曖昧だとして議論を呼んだ。

 これらの事例は、『ザ・シンプソンズ』がいかに時代や文化の鏡であり、時にその鋭い視点が世界中で議論を巻き起こしてきたかを示している。ユーモアとタブーの境界線は、国や文化によって、そして時代によっても変化し続けるのだ。

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画像は「Amazon」より

参考:Ranker、ほか

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