【警戒】新燃岳噴火→数カ月以内に巨大地震や富士山噴火の法則? 11のデータが表す“恐怖の連鎖”、3.11とも一致

2025年6月、新燃岳が噴火し、7月初旬には噴煙が火口上空5000メートルに達するなど活動が急激に活発化した。地元では降灰による被害が広がり、航空便の欠航や住民生活への影響も深刻化。気象庁は警戒レベル3を継続し、火口周辺では噴石や火砕流への警戒が続いている。
新燃岳はこれまでも大規模噴火を繰り返しており、2018年には噴煙が4500メートルに達した。そして2011年には噴火のわずか2カ月後に東日本大震災が発生している。こうした過去の例から、新燃岳の噴火後に巨大地震や他の火山の活動が続く傾向は、決して見過ごせない現象といえるかもしれない。
以下に、百瀬直也氏が2017年10月にまとめた、霧島連山の噴火と国内で発生した巨大地震・火山活動との関連事例をデータとともに再掲する。あくまでひとつの傾向となるかもしれないが、過去の例を知っておくことは、いざという時に備える上で無視できない視点だろう。
(下記は2017年の記事を再掲しています)
10月11日朝、宮崎県と鹿児島県の県境にそびえる霧島連山・新燃岳(しんもえだけ)が噴火し、噴煙が上空300mまで上昇した。さらにその後、14日にも再度噴火が起きている。新燃岳では、2011年1月19日に始まった噴火が同年9月に収束して以来、静穏期が続いており、今回は実に6年ぶりの噴火となった。この6年前の噴火は、東日本大震災の直前、約2カ月前に発生したものだが、実は霧島連山で噴火が起きると、数カ月~1年以内に日本でM7.5以上の大地震や富士山の噴火が発生するケースが多い。つまり、11日の噴火も巨大地震の布石となる恐れがあるということだ。この衝撃の事実を、過去の詳細なデータとともに解説したい。
■霧島連山の噴火後に3.11が起きた

その名の通り、霧島連山は鹿児島県と宮崎県の県境に広がる20を超える火山群の総称であり、単に霧島山と呼ばれることもある。最高峰の韓国岳(からくにだけ)、高千穂峰、新燃岳、御鉢(おはち)などの山々が連なり、山塊を形成している。歴史を紐解くと、とりわけ新燃岳と御鉢は噴火を繰り返しており、霧島連山は気象庁の活火山ランク付けでBと評価されている。今回噴火した新燃岳は、9月下旬に火山性地震の回数が増加したため、10月5日に噴火警戒レベルが1(活火山であることに留意)から2(火口周辺規制)に引き上げられていた。そして11日の噴火後は、さらに3(入山規制)へと引き上げられている。
前述のように、2011年の霧島連山の噴火は、東日本大震災の発生直前に始まった。新燃岳はアムールプレート上の火山であり、東日本大震災の震源はオホーツクプレート上であることから、両者が短期間のうちに連続したことは偶然だと考える読者がいるかもしれないが、実はその認識は間違っているようだ。というのも、霧島連山の噴火から数カ月後に、オホーツクプレート上で大地震(主にM7.5以上)や大噴火が起きるケースは実に多く見られるのだ。以下に例を挙げる。

【霧島連山の噴火と大地震・大噴火が連動した例】
1. 1677年:御鉢で噴火
→1677年4月13日:延宝八戸沖地震、M7.2~8.0、津波あり。
→1677年11月4日:延宝房総沖地震、M8.0前後、死者500人、津波あり。
2. 1678年1月9日:御鉢で噴火
→1678年10月2日:宮城県北部沖、M7.5前後。
3. 1706年12月15日:御鉢で噴火
→1707年10月28日:宝永地震(南海トラフ全域)、M8.4~8.6、死者5千~2万人以上。
→1707年12月16日:富士山の宝永大噴火。
4. 1717年2月9日~22日:新燃岳で噴火
→1717年5月13日:宮城県沖、M7.5、津波や液状化被害。
5. 1891年6月19日:御鉢で噴火。
→1891年10月28日:濃尾地震、M8.0、最大震度7相当。死者・行方不明者7千人以上。
6. 1894年2月25日~28日:御鉢で噴火
→1894年3月22日:根室半島沖地震、M7.9、津波あり。
→1894年6月20日:明治東京地震、M7.0、死者31人。
7. 1896年3月15日:御鉢で噴火
→1896年6月15日:明治三陸地震、M8.2~8.5、津波あり、死者・行方不明者2万2千人。
8. 1914年1月8日:御鉢で噴火
→1914年1月12日:桜島地震、M7.1、死者29人。
→1914年3月15日:仙北地震、M7.1、死者94人。最大震度7相当。
9. 1923年7月11日~20日:御鉢で噴火
→1923年7月13日:九州地方南東沖、M7.3。
→1923年9月1日:関東大震災、M7.9、死者・行方不明者10万人以上。
10. 1959年2月17日:新燃岳(昭和噴火)
→1960年3月21日:三陸沖、M7.2。
11. 2011年1月26日:新燃岳で噴火(多量の火山灰や軽石、溶岩噴出)
→2011年3月11日:東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)、M9.1。
こうして見ると、霧島連山の噴火から数カ月後に、三陸沖や宮城県沖などオホーツクプレートの太平洋側で大地震が起きることが多いようだ。また、それ以外にも南海トラフや首都圏での大地震、さらに富士山噴火が続いたこともある。このように、偶然とは思えないほど数多くの連動例があるが、その理由は今のところハッキリとはわからない。

■火山噴火と大地震は連動する、次の危険地域はどこ?
火山噴火と地震がなぜ連動するのか? この謎を解き明かすためには、木村政昭・琉球大学名誉教授の説が参考になるかもしれない。
過去、数多くの地震予測を的中させてきた木村名誉教授は、地震も火山噴火も、ともにプレートの圧力を受けて起こる現象であり、2つの災害が連鎖することは“ある”という。2013年、木村氏は「東日本大震災で三陸沖のストレスが取れた結果、太平洋プレートが南に押してくる圧力が強まって、桜島、新燃岳などの火山活動が活発化していると思われる。注意しなければならないのは内陸地震です」(アサ芸プラス、2013年2月20日)と、まるで九州の内陸で大きな地震が起こることを示唆するような発言をしていたが、3年後に熊本地震という形で現実になった。
また、ここで木村名誉教授は新燃岳についても言及しているが、2015年発売の著書『次に備えておくべき「噴火」と「大地震」の危険地図』(青春出版社)では、「霧島連山噴火」の危険度を最大の「5」とし、発生予測時期を「2011±5年」としていた。そして今、予測期間を1年すぎて新燃岳が噴火したのは誤差範囲と解釈できるだろう。
今回の新燃岳噴火が、今後どこで発生する地震や噴火につながるのかは断定できないが、これまでに示されてきた地震と火山活動の関係性を踏まえれば、警戒を怠るべきではない。特に霧島連山の噴火後に国内で大きな地震が起きたケースもあることから、今後の動向には注意が必要だ。
もちろん、首都直下型地震や南海トラフ巨大地震、さらには富士山噴火など、以前から「いつ起きてもおかしくない」とされてきた災害への備えは常に念頭に置くべきだろう。新燃岳の活動が続く今だからこそ、これまでの傾向や指摘に改めて目を向け、しばらくの間はより一層の注意を払いたいところである。
参考:「気象庁」、「アサ芸プラス」、『次に備えておくべき「噴火」と「大地震」の危険地図』(木村政昭、青春出版社)、ほか
※当記事は2017年の記事を再編集して掲載しています。
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