地震前にペットの犬猫が飼い主に見せた“予知行動”5例! 動物たちの行動を監視すれば大地震からサバイブできる!?

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Image by Gisela Merkuur from Pixabay

※当記事は2021年の記事を再編集して掲載しています。

 東日本大震災から14年。このような大地震の発生直前に、飼っているペットの異常行動から地震発生を察知し、難を逃れた人々がいる。今回は犬と猫が地震直前に突然示した異常行動の瞬間を捉えた映像などを中心に紹介する。

■地震の直前に走り出した犬

 まずは海外の事例をいくつか紹介する。2010年1月10日16時27分(現地時間)に米カリフォルニア州北部沿岸で、M6.5の地震が発生した。この地震は「ユーレカ地震」と呼ばれ、35人の負傷者と多くの家屋が損壊するなどの被害をもたらした。この時、同州北部ハンボルト郡の都市ユーレカ(ユリーカ)のあるオフィスで飼われていたソフィーというメス犬(ラブラドールレトリバー雑種)が異常行動を示していた。

 オフィス内の監視カメラが捉えていたというこの映像では、座ってくつろいでいたソフィーが、17:21:38(動画上部に記載)に突然立ち上がり、一目散に走って画面の外へと消える様子を確認できる。その時、デスクで座っていた男性が犬の様子に気づいて立ち上がった(17:21:43)瞬間、揺れが始まった。男性は避難して画面から消え、その後はオフィスの他の人々も走って男性に続いた。

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画像は「USGS」より(提供=百瀬直也)

 その後に続く別カメラの映像では、17:21:46にソフィーが走っていく姿が収められている。どうやらソフィーは地震発生の4~5秒前に異変を察知して、即座に避難行動を取ったようだ。そのオフィスは建物の2階か、より上階にあったようだが、大きく揺れるS波と呼ばれる地震波よりも速く到達するP波を感知して行動を始めたのではないかと思われる。通常、地震発生時にはP波によって引き起こされる初期微動があり、人間もそれを感じることができるが、犬の方が敏感に察知したのだろう。

■30秒前に避難行動を取った犬と猫

 次の例は、2011年8月23日13時51分(現地時間)に、米東海岸バージニア州の内陸で起きた「バージニア地震」(M5.8)時のもの。地震の数分前、やはり異常行動を見せる犬と猫がいた。その状況はペット用の屋内監視カメラで撮影され、現在はYouTubeで確認することができる。

 その時、まずは犬が異常行動を起こし、次に猫が続いた。動画のタイムスタンプから時系列で書くと、以下のようになる。音声は録音されていない。

00:07 ソファの上に立って吠え始める。
00:37 周囲を見回したあとでソファから飛び降りた。
00:42 猫がどこからか現れ、ソファの下の隠れ場所に走った。
00:45 地震が発生し、カメラが若干上下に揺れ始めた。

 反応が速かった犬は、何かしら異変を感じ取り、地震の約30秒前から吠えはじめた。これも、おそらくP波に反応したケースだろう。

■寝ていた犬が地震前に目覚めた

 次は、2020年3月18日0時9分(現地時間)に米ユタ州の内陸で発生した「2020年ソルトレイクシティー地震」(M5.7)の事例だ。これも屋内監視カメラの映像だが、同州マレーの室内で飼われていたベアーという名の犬がソファーの上で寝ていたところ、(動画開始)2秒頃から瞬きを始め、数秒後には突然頭を起こして周囲を伺う。そうするうちに強い揺れが始まった。そして24秒頃にソファを降りたところで動画は終わっている。飼い主はこの映像をSNSで共有することにしたという。

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画像は「USGS」より(提供=百瀬直也)

 このケースでは、地震の約16秒前から犬が瞬きを始めたが、この時点で何かしらの前兆を察知したようだ。このマレーという町はグレートソルト湖の南岸にあり、震源から20kmほどの至近距離だったが、犬がP波を感じたとすれば、その割には到達時間が非常に速かったようだ。

■「生きる緊急地震速報」で助かった

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画像は「stuff」より引用

 次は2021年3月4日22時27分(日本時間)にニュージーランド北島沖で発生したM7.3の地震の直前に前兆を察知した犬の例だ。ニュージーランド北島の北東端にあるヒックスベイと南東のテアラロアの中間あたりに住むグレイム・サマーズビー氏は、地震が起きた現地時間3月5日2時27分は深い眠りについていたという。その時、ジャック・ラッセル・テリア犬のモンティが、真っ先に地震の前兆を察知して吠え、飼い主を起こした。その数分後に激しい揺れに襲われたことから、まさにモンティが警告していたのだと悟ったという。

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画像は「USGS」より(提供=百瀬直也)

 自宅から震源までは約300kmほど離れており、これは日本でいうとだいたい東京―名古屋間の距離にあたるが、筆者の経験ではM7クラスの地震では、かなりの距離があっても前兆現象は起き得ると考えている。ニュージーランドには日本の緊急地震速報のようなシステムはないが、モンティのように地震前兆を察知してくれる犬は、まさに「生きる緊急地震速報」と言えるだろう。

■東日本大震災の前兆を察知した猫

 次は日本の例で、2011年3月11日14時46分に発生した東北地方太平洋沖地震(東日本大震災、M9.0、最大震度7)の15分前、猫がこたつに入ろうとしたというケースだ。場所は不明だが、激しい揺れから察するに東北地方かもしれない。

 このケースでは、地震の15分前だったということを考えるとP波のような直前の微振動を感知したわけではないと考えられ、説明がつきにくい。地震前兆として何かしらの電磁波を感知したのか、あるいは、「第六感」のような超常的な防衛本能によるものだろうか。

■ペットに救われる事例は多い

 こうして見てきたように、犬や猫は地震の前に到達するP波のような微弱な振動に(人間よりも)敏感で、危険を察知して素早く行動を起こす。たとえ地震の数分前でも、数秒前でも、まったく不意に大地震に襲われるよりも、ペットの行動の変化から、咄嗟に地震から身を護る準備をすることはできるだろう。このような前兆現象があることを知っていれば、近い将来、大地震に襲われた時にも、飼っている犬や猫の異常行動で大地震の被害を免れるかもしれない。

 筆者が飼っているジャンガリアンハムスターのメスは、過去の記事で紹介しているように「地震予知ハムスター」で、日々計測している回し車の回転数(運動量)が異常に増えると、約2日以内に関東圏で地震が起きる。現在2歳7カ月になるが、人間の年齢にすると90歳くらいに相当し、さすがに運動量は減ってきたものの、相対的な変化によって地震が起きることはわかる。

 動物たちの敏感な感覚が、時に人間の命を救うこともある。ペットの異常行動に日頃から注意を払うことが、大きな災害から身を守る一助となるかもしれない。

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文=百瀬直也

超常現象研究家、地震前兆研究家、ライター。25年のソフトウエア開発歴を生かしIT技術やデータ重視の調査研究が得意。
Webサイト:百幸.com
ブログ:『探求三昧』
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Twitter: @noya_momose

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