「これは前例がない」—— ペンタゴンが連発するUFOファイル公開の重要性を専門家が解説

「これは前例のないことだ」。アメリカの宇宙政策に長年携わってきた専門家が、トランプ政権下で相次ぐUFO(未確認飛行物体)関連文書の公開をこう評した。
これまで固く口を閉ざしてきた分野で、なぜ今、機密文書が次々と表に出てきているのか。宇宙企業幹部でありNASAの元高官でもある人物が、その舞台裏を語っている。
元NASA高官が語る「進化する開示」
語ったのは、宇宙開発企業レッドワイヤー・スペースの社長を務めるマイク・ゴールド氏だ。
同氏は2022〜2023年、NASAの「未確認異常現象(UAP)独立研究チーム」に参加した16名の専門家の一人で、NASA宇宙政策担当高官として月探査協力の枠組み「アルテミス合意」の策定にも携わった経歴を持つ。
ゴールド氏は現在進行中の情報開示プロセスについて、「トランプ政権のこの動きには賛辞を送るべきだ。これは前例のないことが起きている」と評価した。
ただし同氏の言う「開示」は、地球外知的生命体の存在を認めることを意味しない。「データを客観的に評価し、結論がどこへ導こうと従うプロセス」であり、「途方もないことかもしれないし、ありふれたことかもしれない。今は誰にも分からない」というのが立場だ。
アポロ17号が捉えた「三角形の3つの光」
ゴールド氏によれば、NASAは国防総省(通称ペンタゴン、現在の正式名称は「戦争省」)によるUAP関連文書の公開に積極的に協力している。NASA単独の資料はもともと一般公開されていたが、ホワイトハウスが注目事案を選び発信すること自体に意義があるという。
具体例として挙げたのが、1972年のアポロ17号による月面ミッションの報告書だ。含まれていた画像には三角形状に並んだ3つの光が写り込んでおり、今回のペンタゴン・NASA文書公開で改めて「異常事象」として取り上げられたという。
NASA内部にもUAP問題に前向きな職員がいるといい、ホワイトハウスが画像を公式に「異常」と認定して発信することは、この分野に長年付きまとう偏見との闘いに大きな力になっていると語る。

議会には隠せない――開示の先にあるもの
ゴールド氏は世論調査を根拠に、多くの米国民がすでに地球外生命体の存在を受け入れる準備ができていると指摘。政府が墜落機体の回収計画を持っていた事実も、国民は受け止められるとの見方を示した。
一方で、「我々はどこから来たのか」「誘拐現象をどう説明するのか」といった根源的な問いについては、受容がさらに難しくなる可能性があるとも述べている。
とりわけ強調したのは、たとえ秘密にしておく正当な理由があったとしても、議会にまで隠し続けることは許されないという点だ。「そうなればもはや民主主義とは言えない。少なくとも選出された議員には説明責任と監督の権限が保障されなければならない」と訴えた。
今後1年でさらに興味深い文書公開が続くと予想し、NASAにはUAP情報を航空安全報告制度に組み込むよう提言。実現すれば収集データ量は飛躍的に増え、科学目的だけでなく正体不明の敵性ドローン対策など安全保障上も有用だと説明した。
自身の立場を問われると、「これは間違いなく特別な何かだと断言する人にも、間違いなく何でもないと断言する人にも、私は批判的だ」と述べ、データそのものに語らせる姿勢を強調。「意地でも中立を貫くつもりだ」と締めくくった。
参考:Space.com、ほか
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