真昼の砂漠が突然「白く光った」——米空軍の最重要試験基地で連続閃光、200万枚の太陽光パネルか秘密兵器試験か

画像は「X」より

 真昼のモハベ砂漠が、前触れもなく白く光った。

 米カリフォルニア州のエドワーズ空軍基地周辺で先の週末、正体不明の強烈な閃光が立て続けに走る様子が、一般公開されている監視カメラに記録された。

 映像はSNS上で急速に拡散し、「秘密兵器の試験ではないか」「地下で何かが動いている」といった憶測が飛び交う事態となっている。基地側からの公式な説明は、現時点で出ていない。

野生動物監視カメラが捉えた連続バースト

 問題の映像を記録したのは、カリフォルニア大学サンディエゴ校が運用する観測ネットワーク「ALERTCalifornia」のカメラだ。山火事の早期発見などを目的に設置されたもので、映像は誰でも閲覧できる。

 そこに映っていたのは、砂漠の地平線付近で何度も走る鋭い閃光と、その直後に周囲へ広がっていく淡い光だった。夜間ではなく、日中の明るい時間帯に起きている点が、見る者の不可解さを増幅させている。

 現場となったエドワーズ空軍基地は、ロサンゼルスの北東およそ100マイル(約160km)に位置する。米空軍の飛行研究・機体試験の中枢として知られ、空軍のあらゆる航空機に加え、海軍や陸軍の一部機体もここで試験されるとされる。基地自身が「代替不可能な国家資産」と位置づける施設だ。

 運用を担うのは第412試験航空団。航空機だけでなく、兵器システムやソフトウェア、各種構成部品の開発試験も担っている。つまり、「公表されていない新型の何かが試されていても不思議ではない場所」で、空が光ったわけである。

「およそ200万枚のガラス」という現実的な説明

 SNS上で最も多くの支持を集めている説明は、拍子抜けするほど地味なものだ。太陽光パネルの反射である。

 エドワーズ空軍基地の北西側には、巨大な太陽光発電施設「エドワーズ&サンボーン・ソーラー&エネルギー貯蔵プロジェクト」が広がっている。2023年2月に姿を現したこの施設は、民有地と基地のリース地を合わせて約4600エーカー(約18.6平方km)を占め、設置されたパネルはおよそ200万枚。米空軍史上最大規模の太陽光アレイとされる。

 発電能力は最大1300メガワット。23万8000世帯を超える電力を賄い、年間およそ32万トンの二酸化炭素排出を抑えられる計算だという。

 太陽光パネルは光を吸収するために作られているが、表面のガラスが完全な無反射というわけではない。太陽と観測者の位置が特定の角度でそろった瞬間、「グリント」と呼ばれる強烈な反射光が生じることがある。同じ向きに並んだガラス面が200万枚もある場所なら、その規模も桁違いになる。

 日中に発生したこと、閃光が連続したこと、光が広がるように見えたこと——いずれもこの説明と矛盾しない。

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それでも「反射説」が飲み込まれない理由

 にもかかわらず、ネット上の議論は一向に収束していない。

 投稿者の中には、秘密裏に移動させている機体を外部の目から隠すため、強力な投光器で目くらましをかけたのではないかと推測する者がいる。別の利用者は、これは兵器試験か、あるいは外国勢力による何らかの活動だと主張している。地下の軍事施設に由来する現象であり、直ちに調査すべきだという書き込みも見られた。

 さらに、「太陽光パネルの反射にすぎない」と書き込むアカウント群そのものを疑う声まで出ている。都合のいい説明を拡散するためのボットではないか、というわけだ。

 真偽はともかく、機密試験の本場という土地柄が、あらゆる合理的説明を「用意されたカバーストーリー」に見せてしまう。エドワーズ空軍基地は、人類が初めて音速の壁を破った場所であり、その後もステルス機やスペースシャトルの試験で航空史に名を刻んできた。ここでは常に、公表されていない何かが飛んでいる——その前提が、半ば公然の了解として共有されている。

 確かなのは、公開カメラに閃光が記録されたという事実だけだ。物理的に無理のないグリント説は、現時点で最も有力な候補と言っていいかもしれない。だが公式な説明が出ていない以上、それが正解だと確定したわけでもない。基地への取材に対する回答も、まだ明らかになっていない。

 砂漠のど真ん中に、200万枚のガラスと、公表されない試験機と、24時間回り続ける監視カメラが同居している。この三つが並んでいる限り、次に空が光ったときも、人々はまた同じ問いを繰り返すことになるだろう。あの光は太陽のいたずらだったのか、それとも——。

参考:Daily MailALERTCalifornia、ほか

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