【CIA機密解除文書】「文明は7000年ごとに滅びる」と説く奇書が眠っていた! ポールシフトとイエスの”終末予言”

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 世界最強の諜報機関の書庫に眠っていた、なんとも場違いな一冊の本が、ネット上の陰謀論コミュニティで再び注目を集めている。

 問題の本は、米中央情報局(CIA)の機密解除文書に含まれていた『アダムとイブの物語(The Adam and Eve Story)』だ。1960年代に出版されたこの書籍の存在は2019年にも一度話題になったが、今年に入って「禁書」として誤って拡散され、著者への関心がGoogleトレンド上で700%も急上昇したという。地球は周期的なポールシフトによって文明ごと滅び、イエス・キリストはその終末を予見していた。そんな突飛な説を展開する本が、なぜ機密扱いされていたのか。

CIAの書庫に紛れ込んでいた『アダムとイブの物語』

 問題の本は、タイム誌の記事や「送付票」とともに一束の資料としてまとめられていた。手書きの送付票に並ぶのは工具セットやタイヤゲージ、翼の補修キットといった品目で、本との関係はよく分からない。

 著者はチャン・トーマスという人物だ。表紙には「アート・L へ」という手書きの献辞があり、贈り主の名はCIAが黒塗りにしている。贈答品として受け取られた本が押収された可能性もうかがえる。

 CIAがこの本を機密扱いにした理由は、現在も明らかになっていない。2019年に資料が表に出て以降、その不透明さが陰謀論の燃料となってきた。

イエスは「インドで学んだ学者」だった? 7000年周期の破局説

 トーマスの主張の核は、地球が周期的なポールシフトを繰り返しているという説だ。彼によれば、文明はおよそ7000年ごとにこの天変地異で一掃されており、直近の破局が「ノアの洪水」だったという。

 原因として挙げられているのは、太陽系が数千年おきに通過するという天の川銀河の「ヌルゾーン」だ。書名もこの説に由来し、トーマスは創世記を、ノアの洪水以前に滅んだ文明の寓話として読み解いている。

 さらに踏み込むのがイエス像だ。トーマスはイエスを、聖書の預言者像とは異なる「インドで学んだ学者」と位置づけ、迫り来る破局を見通して人類に備えを説いていたと主張する。

 十字架上の最期の言葉についても、インドで習得した言語で語られたものだとして、その意味を「意識が遠のき、闇にのまれていく」という趣旨に解読したとしている。復活後の昇天も、実は「宇宙船」による回収だったというから驚きだ。

 ただし、これらはあくまでトーマス個人の説であり、現在の歴史学や科学の知見に裏付けられたものではない。

画像は「CIA FOIA (foia.cia.gov)」より

UFO調査チームと軍高官への謝辞、著者チャン・トーマスとは何者か

 本の中身以上に奇妙なのが、著者の経歴だ。トーマスは航空宇宙企業マクドネル・ダグラスでUFO調査に携わったチームの一員だったとされ、米空軍の任務にも関わっていたとみられている。

 彼を採用したのは、のちにUFO研究団体MUFONで第一人者として知られることになるロバート・ウッド博士だ。ウッド博士は2007年の記事で、トーマスを並外れて独創的で、地球外生命体と接触していると自称していた人物として振り返っている。奇行から解雇も考えたが、型破りな発想の持ち主だったとも評している。

 書誌データベースWorldCatの記録では、本は1963年と1965年に刊行され、CIAの書庫には1966年に1部が収まった。1993年に一度再版されたきりだが、全文はオンラインで閲覧できる。今年に入り陰謀論界隈でこの文書が誤って「禁書」として拡散され、Googleトレンド上の関心は700%も跳ね上がった。

 さらに不可解なのが冒頭の謝辞だ。「石器時代に逆戻りさせてやれ」の発言で知られるカーチス・ルメイ空軍大将、通信部門を率いたハロルド・グラント空軍大将、のちにCIA入りした情報将校ルーファス・テイラー提督らの名が並び、彼らなしにこの本は存在しなかったとまで書かれている。当時の統合参謀本部への感謝まで記されている。

 序文の最後では、自分を嘲笑し、変人扱いし、職まで奪った人々こそが真理を追う原動力になったと、皮肉交じりの感謝も述べている。

 冷戦期の軍中枢と縁を持つUFO研究者が書いた終末論が、なぜCIAの書庫で眠っていたのか。単なる押収品の一つにすぎなかった可能性は十分にある。それでも、当時の誰かがこの本を「保管すべきもの」と判断したという事実は、トーマスの説そのもの以上に想像力をかき立てるものかもしれない。

参考:Daily Star、ほか

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