歴史学者を悩ませる「存在してはならない地図」は古代文明の未知の技術が作り出したのか

 世界には現在の考古学の常識では説明がつかない謎の地図がいくつも存在する。これらの地図の中には、まだ人類が航空写真技術を持っていない時代にもかかわらず、驚異的な精度で地形を描写したものが含まれているという。果たして、これらはどのように作られたのか?私たちが知らない「失われた技術」が存在していたのだろうか?

120万年前の「創造主の地図」

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画像は「The Ancient Code」より

 最も謎めいた地図の一つが、「創造主の地図(Map of the Creator)」と呼ばれるダシュカ・ストーンだ。これは、ロシア・バシュコルトスタン地方の村で発見された巨大な石板で、120万年前に作られた可能性があるとされている。驚くべきことに、この石には現在のウラル山脈周辺の地形が正確に刻まれているという。

 120万年前といえば、人類はまだ初期の原人の段階であり、地図を作成するような知的能力を持っていたとは考えにくい。では、この地図は一体誰が作ったのか? 一部の研究者は、これは未知の高度な文明の痕跡かもしれないと指摘している。

ピリ・レイスの地図—南極大陸の謎

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画像は「Wikipedia」より

 もう一つの驚異的な地図が、オーパーツ界隈ではお馴染み16世紀のオスマン帝国の提督ピリ・レイスによって作られた「ピリ・レイスの地図」だ。この地図は1520年ごろに作成されたものだが、驚くべきことに氷に覆われる前の南極大陸の地形が描かれているとされる。

 1950年代、アメリカ海軍の地図専門家がこの地図を分析した結果、その精度に驚愕し、「現代の技術をもってしても、このような詳細な地図を作るのは極めて困難」と述べた。ピリ・レイスの地図は、数千年前の「元となる地図」を参考にして作られた可能性があるともされており、古代文明がすでに高度な地図作成技術を持っていた証拠かもしれない。

ピリ・レイスの地図に関するアメリカ空軍の分析

 1960年、アメリカ空軍のハロルド・Z・オルマイヤー中佐は、ピリ・レイスの地図について次のように報告した。

「地図の下部に描かれているのは、クイーン・モード・ランド(南極)の沿岸部であると考えられる。その詳細な描写は、1949年のスウェーデン・イギリス・ノルウェー共同南極探検隊の地震探査データと非常によく一致している」

 つまり、この地図は南極大陸が氷に覆われる前の姿を正確に描いている可能性があるのだ。しかし、公式には南極の氷床が現在の状態になったのは約6000年前とされている。この矛盾をどう説明すればよいのか?

「ゼノの地図」時代を超えた測量技術

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画像は「 Fandom 」より

 1380年に描かれたとされるゼノの地図もまた、考古学者を困惑させる一枚だ。この地図には、ノルウェー、スウェーデン、デンマーク、スコットランド、ドイツの海岸線が驚くほど正確に描かれている。さらに、正確な経度と緯度が記されている点が驚異的だ。

 通常、経度を測定するにはクロノメーター(高精度な時計)が必要だが、この技術が発明されたのは1765年。それ以前に正確な経度を記した地図が存在するのは、何らかの高度な技術が使われた証拠ではないかと考えられている。

 また、ゼノの地図には、氷に覆われる前のグリーンランドの地形が描かれているという。これは「グリーンランドの氷床が過去数千年間変化していない」とする現在の学説に疑問を投げかけるものだ。

他にも存在する「説明不能な地図」

● イエフディ・イベン・ベン・ザラの地図(1487年)

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画像は「YouTube」より

 この地図には、かつて氷河に覆われていたイギリスの地域が描かれている。さらに、現在では海に沈んでいる島々も記されており、当時の海面が現在より低かった可能性を示唆している。

● ハミー・キング・チャールの地図(1502年)

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画像は「Wikipedia」より

 この地図には、シベリアの河川が正確に描かれており、さらに古代スエズ運河が示されている。なぜ当時の人々がこれほどの地理情報を持っていたのかは不明である。

● キング・ハイメの地図

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画像は「 Steemit 」より

 この地図が描かれた時代、サハラ砂漠は今のような砂漠ではなく、緑豊かな土地であったとされている。つまり、かつてサハラには湖や川が存在し、人が住んでいた可能性があるのだ。

地図が示す「失われた文明」の可能性

 これらの地図が示唆するものは、単なる偶然や誤りでは説明できない。もしこれらの地図が正確だとするならば、古代の人類は何らかの高度な測量技術を持っていた可能性があるのだ。

● 大規模な測量が行われていた?
 ピリ・レイスの地図やゼノの地図が示すように、遠い過去に地球規模の測量が実施されていた可能性はあるのだろうか。これは何らかの古代文明が世界的な地図作成を試みた証拠なのかもしれない。

● 古代文明の失われた技術?
 緯度や経度を正確に測る技術、氷に覆われる前の地形を知る手段。これらは通常、現代の科学技術が必要とされるものだ。しかし、もし数千年前、あるいはそれ以前に未知の技術が存在していたとしたら…?

 これらの「あり得ないはずの地図」は、私たちの歴史認識に大きな疑問を投げかける。公式な歴史の記録にはない失われた文明や未知の技術が、過去に存在していた可能性を示唆しているのだろうか。

 果たして、これらの地図が示す歴史の真実とは何なのか? それを知るためには、今後のさらなる研究と、新たな発見を待つしかないかもしれない。

参考:The Ancient Code、ほか

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