墜落死したパイロットが霊媒を通じて「エンジンを点検しろ」と警告してきた!? 航空黎明期に実在した「あの世からの事故調査報告」

「幽霊パイロット」と聞いて雲間を飛ぶゴーストプレーンを想像したなら、それは少し違うかもしれない。20世紀初頭の心霊主義者たちが主張したのは、もっと実務的な話だった。
墜落死した飛行士が霊媒を介して生者に連絡を取り、機体の整備不良を警告してくるというのだ。当時の新聞や心霊研究誌には、その「通信記録」が残されている。
世界で2番目の墜落死者が、名物記者に「点検しろ」と伝えてきた
フランス人技師ウジェーヌ・ルフェーヴルは、独学で飛行術を身につけ、世界初のスタントパイロットとも呼ばれた。1909年9月7日、パリ近郊で新型のライト複葉機を試験飛行中、高度約10メートルから墜落死。31歳、動力飛行機の事故死者としては史上2人目だった。
その9日後、ロンドンで奇妙なことが起きる。英国調査報道の草分けW・T・ステッドは心霊主義に傾倒し、死者との通信を仲介する「ジュリアの事務所」を運営していた。
翌日からフランスで飛行士ボロトフ公子の実験飛行を見学する予定だったステッドの前で、霊視者が突然「別の声が聞こえる」と言い出した。名乗ったのはルフェーヴル。ステッドはこの飛行士の名すら知らなかった。
警告の趣旨はこうだ。公子のエンジンは正常に作動しない恐れがあるから入念に点検させ、無謀な飛行を控えさせよ——。当日エンジンは検査され異常なしと判断されたが、夕方いざ飛ぼうとした瞬間、始動用ハンドルが折れて飛行は中止になった。
隻眼のエースが、霊媒を通じて「自分の最期」を実況した
1928年3月13日、英国のRAFクランウェル基地から、黒い胴体に金の翼を持つ単葉機「エンデバー」が飛び立った。狙いは、誰も成功していない東から西への大西洋無着陸横断である。
操縦席にいたのは、第一次大戦で12機を撃墜し、顔面被弾で左目を失って生涯眼帯を着けていたウォルター・ヒンチリフ大尉。同乗者は海運王インチケープ卿の令嬢エルシー・マッケイ。2人はアイルランド沖を最後に消息を絶った。
心霊主義など馬鹿げていると考えていた未亡人エミリーは、藁にもすがる思いで霊媒アイリーン・ギャレットを訪ねる。そこで得られた「夫からの通信」は、驚くほど具体的な墜落の顛末だった。
深夜に暴風雨へ突入し、左の支柱が折れて翼の布が裂けた。針路をアゾレス諸島方面へ変えたが羅針盤が狂い、午前3時に着水。マッケイは意識を失ったまま息絶え、自分は岸へ20分泳いだが力尽きた——。
1982年に亡くなったエミリーの遺灰は、遺言によりアゾレス諸島コルボ島沖に撒かれた。夫が沈んだと「聞かされた」まさにその海域である。

飛行船R101の惨事——警告は本当に届いていたのか
話はここで終わらない。1929年8月、エミリーは夫から、建造中の巨大飛行船R101の構造に問題があるというメッセージを受け取ったと講演で明かしている。関係者に伝えたところ、実際に改修すべき箇所が見つかったという。
R101は全長約237メートル、当時世界最大の飛行物体だった。1930年10月4日夜にインドへ向けて処女航海に出発し、翌未明、フランス・ボーヴェ近郊の丘に激突炎上。54人中、生還者は6人にとどまった。
事故後、心霊主義陣営はヒンチリフが危険を訴え続けていたと主張した。もっとも当時のスピリチュアリズム系週刊誌自身が、事後に予知を語るのは容易であり、本気なら事前に記録して署名と立会人を付けよと釘を刺している。
霊界からの警告が本物だったのか、それとも当時の飛行機が霊媒の助けを借りるまでもなく壊れやすかっただけなのか。真相は大西洋の底に沈んだままだ。
参考:American Strangeness、ほか
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2024.10.02 20:00心霊墜落死したパイロットが霊媒を通じて「エンジンを点検しろ」と警告してきた!? 航空黎明期に実在した「あの世からの事故調査報告」のページです。幽霊、飛行機事故、霊媒などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで
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