リアル“ダ・ヴィンチ・コード”か… 500年の時を超え、天才の“本物のDNA”を追うプロジェクト

『モナ・リザ』をはじめとするルネサンスを代表する中世イタリアの芸術家、レオナルド・ダ・ヴィンチの遺体は本当に当人のものなのか――。ダ・ヴィンチのDNAをより正確に把握するための「レオナルド・ダ・ヴィンチDNAプロジェクト」が着々と進められている。
■ダ・ヴィンチのDNA解析が進行中
フランスのアンボワーズ城にあるレオナルド・ダ・ヴィンチの遺骨は本当に彼のものなのだろうか?
この謎を解明するために研究チームはダ・ヴィンチの遺骨から採取したDNAを、存命の親族のDNAと比較する研究「レオナルド・ダ・ヴィンチDNAプロジェクト」を進めている。
ダ・ヴィンチには子供がいなかったため、「レオナルド・ダ・ヴィンチ遺産協会」の研究者アレッサンドロ・ヴェッツォージとアニェーゼ・サバトは伝統的な系図学に着手して作業を進め、その成果をまとめた著書『Genìa Da Vinci. Genealogy and Genetics for Leonardo’s DNA』を今年5月に出版した。彼らの系図ではダ・ヴィンチの父と異母兄弟を通して傍系を辿り、男性系譜を1331年まで遡り、DNA鑑定の根拠となり得る親族を6名特定したのだ。
ダ・ヴィンチの父系血統が重視されるのは、単に情報の入手が容易なためだけではなく、ダ・ヴィンチが高名な公証人であるセル・ピエロとカテリーナという名の農民女性との間に私生児として生まれたからだ。「レオナルド・ダ・ヴィンチDNAプロジェクト」では、ダ・ヴィンチの家系図の枝から15人の男性系子孫を特定するためにY染色体を採用した。Y染色体は父から子へと変化することなく受け継がれるからである。
科学メディア「Phys.org」によると、このプロジェクトは法医学人類学者エレナ・ピリ氏の協力を得て進められている。
「これらの子孫のうち6人にDNA検査を実施しました。分析の結果、個人識別に使用されるY染色体の断片がこれらの男性間で一致し、少なくとも15世代以降、ダ・ヴィンチ家の男性系譜の遺伝的連続性が確認されました」(ピリ氏)
初期の系譜調査により、ダ・ヴィンチの親族数名の埋葬地が特定された。おそらく祖父と異母兄弟数名も含まれていたと思われその遺跡の発掘調査で骨片が発見され、その後、放射性炭素年代測定と古ゲノム分析が行われた。
「Phys.org」によると、これらの骨片の人物は男性と特定されている。もしこのサンプルのY染色体が現存する子孫から採取されたY染色体と一致した場合、このプロジェクトは歴史的な父子関係記録の信憑性を検証できるだけでなく、ダ・ヴィンチのDNAを再構築し、彼がかつて所有していた作品や物品と照合して検証することも可能になる。

「レオナルド・ダ・ヴィンチDNAプロジェクト」は別の目的として「ルネサンス期の美術作品の個人または公共コレクションから採取したサンプルの検査」が掲げられている。チームは既に、「経年劣化した美術作品サンプルから有用な生物学的物質を特定する」ことや、作品表面または内部の微生物叢を特定し分析することに関する予備研究を完了している。
研究者たちはダ・ヴィンチのDNAをより明確に把握できれば、この芸術家が作ったとされる作品や物品に残されたほかの生物学的痕跡を調べ、厳密な比較分析を行うことができると考えている。
レオナルド・ダ・ヴィンチの遺体や遺骨が本当に当人のものであるかどうかを確認できるだけでなく、DNAの配列解析はこれまでダ・ヴィンチの肖像画から推測するしかできなかった、祖先、色素、特定の健康リスクといった身体的特徴を明らかにすることを可能にし、彼の人生と作品に貴重な生物学的文脈を加えることができるかもしれない。
プロジェクトが完遂する日が来れば、ダ・ヴィンチがより身近に感じられるようになると共に、“ダ・ヴィンチ・コード”をはじめとした彼にまつわる謎のいくつかが解明されてくるのかもしれない。
参考:「Popular Mechanics」ほか
※ 本記事の内容を無断で転載・動画化し、YouTubeやブログなどにアップロードすることを固く禁じます。
関連記事
人気連載
“包帯だらけで笑いながら走り回るピエロ”を目撃した結果…【うえまつそうの連載:島流し奇譚】
現役の体育教師にしてありがながら、ベーシスト、そして怪談師の一面もあわせもつ、う...
2024.10.02 20:00心霊リアル“ダ・ヴィンチ・コード”か… 500年の時を超え、天才の“本物のDNA”を追うプロジェクトのページです。DNA、レオナルド・ダ・ヴィンチ、子孫、家系などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで