『最後の晩餐』に隠された6つの秘密…あなたはいくつ知っている?

レオナルド・ダ・ヴィンチ作『最後の晩餐』(1495-1498) 画像は「Wikipedia」より

 ルネサンス期の宗教芸術の代表作の1つであるレオナルド・ダ・ヴィンチ作『最後の晩餐』だが、Xユーザーの「Culture Critic」によれば、これまでに指摘されていない6つの“秘密”があるという。ダ・ヴィンチはこの絵にどのような意図を隠していたというのだろうか。

1.キリストの姿勢

 キリストの姿勢は、聖餐のパンとワインに手を伸ばしているときに、三位一体を象徴する三角形を形成している。

2.聖ペテロ

 聖ペテロはナイフを握りしめている。これはユダの死を予兆し、ペテロ自身が逮捕中にマルコスの耳を切り裂いてキリストを救おうとすることを示している。

画像は「Daily Mail Online」より

3.聖トマス

 指を不思議そうに空中に上げている聖トマスはキリストの復活を疑い、キリストの脇腹の傷に触れて証拠を求めた人物である。これはダ・ヴィンチの自画像だと言う者もいる。ダ・ヴィンチ自身も懐疑論者だったのかもしれない。

画像は「Daily Mail Online」より

4.ユダ

 裏切り者のユダは影に隠れている。彼はキリストを裏切るために支払われた銀貨を握りしめ、塩の容器を倒す。これは神との契約を破ったことの象徴である。

 ダ・ヴィンチは彼をこの部屋で最も醜い人物にするために入念な工夫を施しているということだ。

画像は「Daily Mail Online」より

5.キリストの隣にいる“女性”

 キリストの隣にいる“女性”は、ダン・ブラウンの『ダ・ヴィンチ・コード』(および他の著作)では、マグダラのマリアであると推測されている。

 マグダラのマリアはキリストの磔刑と埋葬の両方に立ち会った唯一の人物だが、彼女についての詳細はほとんど知られていない。ダ・ヴィンチは彼女をキリストのすぐ隣に座らせたというのか?

画像は「Daily Mail Online」より

 しかしこの人物は女性ではないという説もある。では誰なのかといえば、聖ヨハネとする説である。

 ヨハネは、その若さと優しい性格を反映して、女性的に描かれるのが一般的だったということだ。そしてダ・ヴィンチはフェミニンな聖ヨハネをキリストの隣に配置したというのである。

6.使徒たちの配置

 使徒たちが3人ずつグループに分かれていて、中央にイエスだけがいることに注目すると「3 3 1 3 3 」という数列が浮上してくる。この数字にはどのような意味があるのか。

画像は「X」より

 ヘブライ聖書『哀歌』の3:31–33を指しているとの指摘もあるようだ。

 哀歌 3:31-33
主は、決してあなたをいつまでも捨て置かれはしない。主の慈しみは深く懲らしめても、また憐れんでくださる。人の子らを苦しめ悩ますことがあってもそれが御心なのではない

 ダ・ヴィンチには(聖トマスのような)疑いはあったかもしれないが、最終的には神の恵みを目の当たりにすると示唆したとも解釈できる。

 晩餐の中心に静かに佇むキリストの究極のメッセージは「許し」であるという。キリストはユダの裏切りに悲しみながらも、それを受け入れ、彼の人間性の欠点も受け入れたというのだ。

 はたしてダ・ヴィンチは『最後の晩餐』にこのようなメッセージを密かに込めていたのか。いずれにせよダ・ヴィンチにまつわるミステリーは今も多くの人々を魅了していることは間違いない。

参考:「Daily Mail」ほか

文=仲田しんじ

場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。
興味本位で考察と執筆の範囲を拡大中。
ツイッター @nakata66shinji

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