100年以上続く砂漠の謎「マーファ・ライト」― ジェームズ・ディーンも夢中になった“不可解な光”の正体とは

2025.09.14 20:00 編集部

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100年以上続く砂漠の謎「マーファ・ライト」― ジェームズ・ディーンも夢中になった“不可解な光”の正体とはの画像1 — イメージ画像　Created with AI image generation

　オーロラといえば、多くの人が夜空を彩る壮大な光のカーテンを思い浮かべるだろう。しかし、アメリカ・テキサス州の小さな田舎町マーファでは、それとは全く異なる、神秘的で不可解な光のショーが毎夜のように繰り広げられている。

「マーファ・ライト」または「ゴースト・ライト」と呼ばれるこの謎の光は、100年以上にわたって人々を魅了し、当惑させてきた。かつては、あのハリウッドスター、ジェームズ・ディーンをも虜にしたという。砂漠の闇に浮かぶ光の玉の正体とは、一体何なのだろうか。

1883年から続く謎の目撃譚

　マーファ・ライトの最初の目撃記録は、1883年にまで遡る。牛を追っていたカウボーイのロバート・リード・エリソンが、遠くに揺らめく光を目撃したのが始まりだ。彼は当初、先住民のキャンプファイヤーの火だと思ったという。しかし、その光はその後も現れ続け、今日に至るまでその正体は謎に包まれたままだ。

　この不思議な光は、マーファ郊外のミッチェル・フラットと呼ばれる荒涼とした平原の上空に、不規則に現れる。バスケットボールほどの大きさの光球が、赤、青、白など様々な色に輝きながら、浮遊したり、高速で移動したり、時には分裂したりするという。

100年以上続く砂漠の謎「マーファ・ライト」― ジェームズ・ディーンも夢中になった“不可解な光”の正体とはの画像2 — マーファ・ライト（中央）. Photo by Jon Hanson, Wikimedia Commons, CC BY 2.0

UFOか、自然現象か？正体をめぐる様々な仮説

　このマーファ・ライトの正体をめぐっては、数多くの仮説が立てられてきた。

　一つは、オーロラと同じような自然現象説だ。この地域の地下に存在する天然ガスが漏れ出し、大気中の成分と化学反応を起こして発光しているのではないか、というものだ。

　また、その奇妙な動きからUFO説も根強い。地球外生命体の乗り物や、未知のエネルギー体が現れていると信じる人々も少なくない。

　そして最も現実的とされるのが、車のヘッドライト説だ。近くを走る国道67号線の車のライトが、大気の温度差によって異常屈折し、光の玉のように見えるという説である。2000年代初頭にテキサス大学の学生が検証を行ったところ、実際に車が通過するタイミングで光が現れることが確認された。

　しかし、この説には大きな矛盾がある。最初の目撃は1883年、ハイウェイが建設されるずっと前のことだ。1世紀以上前の目撃談を、車のライトだけで説明することはできないのだ。

「光には知性がある」―戦慄の目撃エピソード

　マーファ・ライトが単なる自然現象や見間違いではない、と信じる人々を後押しするのが、数々の衝撃的な目撃談である。

　ある夜、バスケットボールの試合の帰りにバスで移動していた女子生徒たちは、車窓にあの謎の光を目撃した。バスを停めて様子を見ていると、色とりどりの3つの光球がバスに近づき、車内を明るく照らし始めたという。光がどんどん迫ってくる恐怖に、生徒たちは泣き叫び、コーチは運転手に急いでその場を離れるよう指示した。

　さらに、第二次世界大戦中、この地にあった陸軍航空基地のパイロットたちは、この光を頻繁に目撃していたという。作家のウィリアム・ソーンズバーグによれば、戦闘機が離陸すると、光が地面から現れ、まるで「通信」するかのように飛行機と並走したり、中に入り込んだりしたというのだ。
これらの証言は、マーファ・ライトがまるで独自の意思や知性を持っているかのような印象を与える。