北朝鮮に初の「ネットゲームカフェ」がオープン!ただし“外国人との対戦は禁止”… 金正恩体制下で進む奇妙なハイテク化の実態

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画像は「X」より

 北朝鮮が、国内初となるコンピューターゲーム専用のカフェ(ネットカフェ)をオープンさせたと報じられ、話題を呼んでいる。SNSに投稿された画像には、近未来的なデザインの店内で、若者たちがゲームに興じる姿が映し出されている。

 しかし、この一見華やかな光景の裏には、「世界の孤島」である北朝鮮ならではの、奇妙で歪な現実が隠されていた。プレイヤーたちは、『FIFA』や『Call of Duty』といった世界的な人気ゲームを楽しめるものの、外国人プレイヤーとオンラインで対戦することは、決して許されないのだ。

“見せかけの先進国”を演出するプロパガンダ施設か

 このゲームカフェは、首都・平壌に新しく建設されたエリアに位置しているという。殺風景なコンクリート建築が立ち並ぶ周囲とは対照的に、その建物はモダンで洗練されたデザインが特徴だ。内部もまた、東アジアの一般的なネットカフェを模した、未来的な内装で飾られている。

 テクノロジーに詳しい専門家は、この施設が、金正恩総書記が推し進める「国家イメージ刷新計画」の一環だと分析する。つまり、北朝鮮が世界と同等の技術先進国であることを、国外に向けてアピールするためのプロパガンダ施設だというのだ。

利用できるのは“選ばれしエリート”のみ

 この最新鋭の施設を利用できるのも、ごく一部の限られた人間だけのようだ。

 このゲームカフェがある新興エリアに居住を許されているのは、「金正恩総書記に認められた人物や、核実験に関わる科学者など、国家によって選ばれたトップエリートのみ」だと、ある内部情報筋は語る。一般市民が気軽に立ち寄れる場所では到底ないのだ。

閉ざされたネットワーク―世界から隔離された“ゲーム空間”

 そして、このゲームカフェの最も奇妙な点が、そのネットワーク環境だ。

 プレイヤーたちは、『FIFA』や『Call of Duty』といった西側の人気ゲームをプレイできる。しかし、彼らが接続できるのは、グローバルサーバーではなく、国内に閉じた内部ネットワーク(イントラネット)のみである可能性が極めて高い。つまり、世界中のプレイヤーと腕を競い合うことはできず、国内のプレイヤー同士でしか対戦できないのだ。

 それもそのはず、北朝鮮では、グローバルなインターネットへのアクセスは極端に制限されている。人口2650万人に対し、インターネットに接続できるのは、わずか1万人にも満たないと推定されている。国民を外部の情報から遮断し、思想統制を維持するための、独裁国家ならではの厳しい現実だ。

 北朝鮮初のゲームカフェ。それは、ハイテク化と国際社会へのアピールという“表の顔”と、厳格な情報統制と国民監視という“裏の顔”を併せ持つ、金正恩体制の歪な構造を象徴する存在なのかもしれない。

参考:Daily Star、ほか

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