19歳の超天才少女が国家スパイにリクルートされた後、死亡=インドネシア
インドネシア・アンボン出身のとある少女が、10月23日に亡くなった。
その少女の名は、ガヤトゥリ・ワイリッサ。何と14カ国語を操ることができる超天才であった。死因は脳溢血、たった19年の生涯だった。
実はこのニュース、すでに新華ニュースが日本語で記事を書いている。したがって、もうある程度の内訳を知っている読者もいることだろう。だが新華ニュースの記事は現地メディアからの翻訳というが、致命的な誤訳があり記事自体もあまり深い部分まで書かれてはいない。今回は筆者が改めて現地メディアの記事をチェックし、短命の天才少女ガヤトゥリの真の姿に迫りたいと思う。
■天才少女の真実
そもそも、新華ニュースは誤解ゆえの間違いを書いてしまっている。
記事には「享年17歳」とあるが、本当は1995年8月31日生まれの19歳である。なぜこのような重大なミスをしてしまったかというと、ガヤトゥリが世間から注目され始めたのが2年前で、その際に「17歳の天才少女」という異名が定着したからだ。それを新華ニュースが「今の時点で17歳」と誤解したのだろう。インドネシア語はそうした紛らわしさがある言語である。
そしてもう一つ、新華ニュースは非常に重大な見落としをしている。
それはガヤトゥリがBIN(国家情報局)の職員だったという事実だ。ガヤトゥリは死の3カ月前に、ジャカルタでBINからリクルートされ「就職」しているのだ。早い話が、彼女は諜報員だったのだ。
■魔都ジャカルタの疑惑
死亡時のガヤトゥリは、インドネシア軍関係者専用の住宅に住んでいた。最期の時もそこで迎えたのだ。さらには彼女の遺影も、BINの制服を着た姿のそれである。実はこの写真により、ガヤトゥリの身の上が国民に知られるようになったのだ。
「娘はBIN職員として誇りを抱いていた。しかし、神の意志は他のところにあったようだ」
ガヤトゥリの父親は、メディアの取材に対しそう答えた。
インドネシア国民の誇る超天才少女が、諜報員として暗躍する謎の少女へと「転身」した。となると、その最期も果たして自然死かどうかを疑う声も当然出てくる。
インドネシアにまたひとつ、重大な疑惑が発生した。のどかな地方都市アンボン出身の少女は、地元に住み続けていれば「世間を驚かせた天才少女」という評判だけでこれからも暮らしていけたのかもしれない。だがジャカルタに来た途端、彼女の歯車はどこかで狂ってしまったのだろう。やはり、ジャカルタは魔都なのだ。
(文=澤田真一)
■澤田真一
フリーライター。経済情報サイト等で執筆多数。日本とインドネシアを往復する生活を送りながら、記事作成や実地調査などの仕事を請け負う。只今、インドネシア関連の執筆及び調査の依頼を受付中。https://www.facebook.com/masakazu.sawada
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