『ゴーストライダー2』 ケイジがヅラを取った!!命も賭けた!!渾身の“やり過ぎ”映画の舞台裏は?

『ゴーストライダー2』 ケイジがヅラを取った!!命も賭けた!!渾身のやり過ぎ映画の舞台裏は?の画像1画像は『ゴーストライダー2』(ポニーキャニオン)

――「認知度は低いが、実はヤバい必見映画」「一見普通の映画だが、ヤバいエピソードを秘めた映画」「ヤバすぎて再評価したい映画」をランダムに紹介。読んだら絶対に見ずにはいられない作品を紹介していく… 

【今回の映画】 
『ゴーストライダー2』


【あらすじ】

 父の命を救うため、悪魔と契約したジョニー・ブレイズは、その身に復讐の精霊“ゴーストライダー”を宿す。そして、それ以来、ジョニーは他人の悪意を察知するや、ゴーストライダーに変身して、彼らを容赦なく叩きのめし、魂を吸い取るようになってしまう。厄介なことに、このゴーストライダーへの変身時、ジョニーは自分をコントロールすることができず、おまけにちょっとしたウソや、違法ダウンロードなどの微罪にまで反応してしまうという暴走っぷり。そこで、「地元の衆に迷惑はかけられん」…と、ジョニーことゴーストライダーは、バイクで世界を股にかけた旅に出るのだった……。


■ヤバポイント1 :「1」を見なくても余裕過ぎる「2」

 以上が原作のアメコミおよび映画『ゴーストライダー』シリーズの基本設定で、本作『ゴーストライダー2』は、2007年に公開された同名映画の続編。とはいえ、主演のニコラス・ケイジ以外はキャストを一新した“リブート仕様”)で、一作目で描かれていた前述の燃える髑髏のバイク野郎“ゴーストライダー誕生”のエピソードも、冒頭で紙芝居チックに紹介しれくれるので、本作から観ても全然問題ない。


■ヤバポイント2:ニコラス・ケイジの主演理由がイイ

 そして主演のニコラス・ケイジといえば、フランシス・コッポラ監督を叔父に持ち、1995年の『リービング・ラスベガス』でアカデミー主演男優賞を受賞した映画界のサラブレッドでありながら、高級車など趣味のコレクション収集に大金を費やし、ここ最近はその借金返済のために微妙な作品群に節操もなく出演しては、その演技力を浪費しているダメ男。しかし、この「ゴーストライダー」シリーズのニコラスは、他の作品とは一味違う。

 実は彼は、漫画の主人公の名前にちなんでケイジという芸名をつけたほどの、筋金入りのアメコミマニア(本名はニコラス・キム・コッポラ)。90年代に制作中止となったティム・バートン監督版「スーパーマン」にもキャスティングされていたという彼が、満を持して主役を演じることになったアメコミ映画、しかもシリーズものなのだから、気合いも入ろうというものである。

 さて前作のヒットを受け、およそ4年ぶりの続編となった本作、気になるその内容は…

あらすじで説明をしたとおり、「地元の衆に迷惑はかけられん」…と、世界に旅立ったジョニー。ヨーロッパで流浪の旅を続ける中、ある僧侶が現われる。僧侶は、「悪魔に体を乗っ取られそうな少年を守れば、ジョニーの身に棲むゴーストライダーを祓ってやる」と、持ちかけるのだが…… 


■ヤバポイント3:ニコラス・ケイジがヅラを…

 アメコミ映画の宿命ともいえる“キャラクター紹介編”の色合いが濃かった前作に比べ、よりアクション、バイオレンス方向に舵をとった本作。ニコラスも、前作ではスタントマンに任せていた、危険なアクションシーンも自身で演じ(変身後は、どうせ顔に燃えるドクロが合成されるので、本人かどうかわからないのに!)、ついでに前作では不評だった不自然な額のヅラも脱ぎ捨て、まさに体当たりの演技を見せている。


■ヤバポイント4:“やりすぎ映画の天才”が監督!

 一方「一番楽しいのは近くで爆発を撮ること」と明言するのは、本作で監督を務めたマーク・ネヴェルダイン&ブライアン・テイラー。「興奮していないと心臓が止まる!」という、前代未聞の“やりすぎ”設定で世のアクション映画ファンを魅了した「アドレナリン」シリーズの黄金コンビだ。

 とにかくハイテンションなアクションにこだわる彼らは、なるべくCGを使わず、生身によるスタントやバイクアクションを敢行ラストの荒野でのバイクと車の壮絶なカーチェイスでは、監督自らローラーブレードで時速100キロを越える速さで並走して撮影したという。

 こうした臨場感と生身の痛みに満ちたアクションへのこだわりは、圧倒的なCGに支えられた物量で見せる、昨今のアメコミヒーロー映画の傾向と明らかに逆行している。正直、本作には莫大な制作費と最先端のCGが投入される映画「アメイジング・スパイダーマン」や「アイアンマン」を筆頭とする「アベンジャー」シリーズのような大作感はない。

 だが、これらの会社が命運をかけ、入念なマーケティングとマーチャンダイジングのもと制作する王道ヒーローシリーズとはまた違い、生粋のアメコミ好きとアクション好きの“くだらないかもしれないけれど、俺はこういうのが好きなんだよ!”というはぐれ者感覚、良い意味でのB級テイストが、本シリーズの最大の魅力だ。

 とにかく一度観始めたらノンストップな痛快炎上ヒーロー活劇。頭をカラッポにして、地獄の炎にその身を燃やし尽くそう!
(文=雑賀洋平)

映画情報
『ゴーストライダー2』
出演:ニコラス・ケイジ、キアラン・ハインズ
監督 マーク・ネヴェルダイン、ブライアン・テイラー
販売元ポニーキャニオン

『ゴーストライダー2』 ケイジがヅラを取った!!命も賭けた!!渾身のやり過ぎ映画の舞台裏は?の画像2画像は『ゴーストライダー2』(ポニーキャニオン)

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