事件記者は語る! 伊良部氏の孤独な死と、沖縄・伊良部島の因縁
2014.07.09 20:00
「伊良部の母親のルーツはその姓の通り、宮古島に隣接する伊良部島にある。実はこの島は沖縄の中ではいわくつきの土地として知られている。暴力沙汰を起こしたりする者が多いことから、地元では『荒くれ者が生まれやすい土地』として忌避されることが多い」(地元の不動産業者)
沖縄では毒を持つウミヘビのことを「イラブー」というが、島の出身者を揶揄してそう呼ぶこともあったという。
その血を受け継ぐ伊良部自身も、土地の呪縛に絡め取られるように破滅的に生き、悲劇的な最期を迎えた。伊良部の訃報が伝えられると、古くからの宮古の住民の中には、「島の呪いだ」という者もいたという。
ただ、伊良部は、さらに重い十字架を背負ってもいた。
「沖縄では、つい最近まで、米兵と地元女性との間に生まれたハーフの子どもを『アメラジアン』と呼んで差別する傾向があった。伊良部は渡米するまで、母親から自分の父親が米兵だとは知らされていなかった。『息子に苦労をかけたくない』との親心もあったのだろう」(先の記者)
父親を知らず、母とふたり、世間の目から逃れるようにたどり着いた尼崎の地。縁もゆかりもない土地で開花させた野球の才能だけが、伊良部のアイデンティティーだった。その唯一の拠り所を失った時、彼の中で何かが弾けてしまったのだろうか…。
(文=KYAN岬)
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