撮影:河西遼
■近くにある「死」と前世の記憶
――ところで、猟奇的なシーンがいくつもあるハードな現場を経験された土屋さんですが、死についてはどう考えていらっしゃるのでしょうか?
土屋 昔からあるんですよね、近くに「死」が。小学校2年生くらいの時から戦争が嫌で嫌でしょうがなかったんです。戦争を思う度にいつも泣いていました。また2歳の時に40度くらいの熱を出したことがあるのですが、その時、母に前世の記憶をバーっと語ったそうなんです。私が語った内容によると、前世で何者かに刺されて亡くなったそうです。その記憶なのかわかりませんが、繰り返し見る怖い夢もあります。ほかにも、家族の幼なじみが急病で亡くなったり、病と戦っていたファンの女の子が亡くなってしまったり…と、いくつか悲しい「死」を体験しました。なので、すごく身近に死がある分、『人狼ゲーム』での演技も、自己満足で猟奇的な表現をして話題を呼ぼうとは思いませんでしたし、作品自体も、刺激物的なエンターテイメントとして捉えていませんでした。だから、観客の皆さんにも観点を少しずらして「本当の自分ってなんだろう」「生きているって何だろう」って問いかけながらこの作品を見てほしいんです。
――特に、どんな人に見て欲しいですか?
土屋 どんな方に見ていただきたいというのは、なんとも言えないんですが、一見極端な設定には見えるんですけど、実は、日常生活が凝縮されたような世界なんじゃないかな? とも思ってるんです。学校でも、会社でも、ある場所に一方的に集められて、やれるかわからないことをいきなり押し付けられて…ってシチュエーションがありますよね? だから、そういった日常的な部分とリンクして映画を鑑賞しても面白いと思います。
――『人狼ゲーム』は土屋さんにとってどんな映画だったのでしょう。
土屋 どんな作品でも大切に演じていますが、この作品は、特に大事に演じるべきだと強く思っていたんです。これは直感なのですが、この演技をすごくすごく頑張れば、何かにつながるかなって思ったんです。
――実際に、NHKのヒロインも決まりました。
土屋 そうですね。こうした苦しい作品を経験できたことで、次につなげられればと思います。
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