祭りのテーマは「苦行」 ― ヒンドゥー教徒の祭り「タイプーサム」が痛すぎる!


■なぜか出血も痛みもない!?

 写真を見る限りかなり痛そうなのだが、信者達はトランス状態に入るので、身体的な痛みは感じないそうだ。そして不思議なことに、傷口がぽっかりと開いているにもかかわらず、出血もなく、傷跡も残らず完全に治るそうだ。しかも、消毒剤などは一切使用せず、ただ灰をこすりつけているだけ。これもやはり一種の催眠状態から来るものなのだろうか? 顔や体に鉄串を刺している信者の周りは、家族や友人が取り囲み、チャント(祈りの言葉)を口々に唱えながら、寺院までともに歩きサポートするのだが、その祈りの効果もあるのかもしれない。

祭りのテーマは「苦行」 ― ヒンドゥー教徒の祭り「タイプーサム」が痛すぎる!の画像2
インド、ケララの祭に参加する少年。鉄串が彼の頬を貫き、彼の顔には聖灰が塗り付けられている。この様なスピリチュアル主義は万人の為のものではないが、ケララの住民にとっては通常の通過儀礼である 画像は「Daily Mail」より
祭りのテーマは「苦行」 ― ヒンドゥー教徒の祭り「タイプーサム」が痛すぎる!の画像3世界中の何千人もの信者は身体的な試練を行う 画像は「Daily Mail」より
祭りのテーマは「苦行」 ― ヒンドゥー教徒の祭り「タイプーサム」が痛すぎる!の画像4
長い鉄の棒が頬を貫いている女性。これらの傷は出血せずきれいに治るという 画像は「Daily Mail」より

 ちなみに、タイプーサムはインドで祝われるだけではなく、1800年代にはインドからの移民がシンガポールとマレーシアでも始め、より過激さを増した祭りとして定着した。中でもマレーシアのバツー洞窟には、世界で2番目に高いムルガン神像が祭られている有名なヒンドゥー寺院があり、そこには150万人近くの信者が訪れる。タイプーサムはその年の暦によって決められ、1月末か2月初めに行われる。一度はこの目で実際に見てみたい祭である。
(文=美加リッター)

参考:「Daily Mail」ほか

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