「オカルトと愛は同じ。ないと考えた方が、純度が高くなる」伊藤ガビン・インタビュー

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伊藤 僕、「サザエさん」とか嫌いじゃないけど、なんかもやもやするんですよね。サザエさんってコミカルなアニメなんだけど、でも爆笑するってことないじゃないですか。僕は爆笑とか号泣とかしたいんですよね。あたまで理解するんじゃなくて否が応でも身体が反応してしまうような体験したいんですよね。もう、すごい驚きたいの。画面見て3歩くらい後ずさりして転ぶ、みたいな(笑)。そういうのが見たいですよね。「なるほど」とかって思うと頭で理解してそこで完結したみたいな感じになっちゃうじゃないですか。そういうのは世の中に有りすぎるから、いらないなって思って。とにかく凄く驚きたいんです。

――まとまりのいいものはいらないと。

伊藤 そうそう。「うまいねー」みたいなのはもう要らないです。もう一生分見たっていう感じ。

――ばかばかしくてもいいんですよね。

jpeg1009.jpg大うんこ展(パイインターナショナル)

伊藤 もちろん。笑うとか泣くとか感動するとかって全部同じものだと思ってるんですよ。後付けで笑えるとか泣けると意味付けされるだけで。まずは感情が動くんですね。でも、感情が動いたままだとどこにも行き場がないから放っておくと狂うか死んじゃうんですよ。それで、横隔膜を揺らしたり涙を流したりとかっていうプロセスが後から付いてくるんです。だから、感情を揺らすことが最大の目的でいいんじゃないかな

 前にうんこの本を出しましたけど、うんこの作品とかって普段は好きじゃないんですよ。うんこって言うと面白い、みたいに定式化されているから、すごい安全圏から出してきてると思ってしまう。誰かを揶揄するとか、それを出すとこういう風に笑うでしょとか、これを出すとこういう風に泣くでしょとか、形式ができているものは全て面白くない。だから「これを出すと面白いと言われるだろうな」というものより「なんだか解らな過ぎるから出してみよう」っていうくらいのもののほうがいいのかな。「ケータイの中に入れておくのが嫌過ぎる動画を消せないからコンテストに送る」みたいな、そのくらいの感じのほうがいいんじゃないですか。

――ネガティブなものでも感情は揺り動かされますからね。

伊藤 ネガティブなものは見たくないけどね、あんまり(笑)。でも、ケータイに入ってる写真とかで凄く嫌なんだけど消すのも嫌、くらいなものとかって、たまにあるじゃないですか。そういうものを出してきてほしいな。
(取材・写真・文=渡邊浩行)


■伊藤ガビン
1963年神奈川県生まれ。女子美術大学短期大学部造形学科教授、京都精華大学デザイン学部ビジュアルデザイン学科客員教授。ゲーム「パラッパラッパー」などのシナリオのほか、書籍やWebサイトの企画制作に数多く携わるとともに、現代美術作家としても活動している。


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