「老婆と熊を見間違えて…」狩猟ブームだから知っておきたい、危険と魅力

「狩猟の楽しみ方は人それぞれですが……。私の場合は、銃を持って山に入るということ自体に興奮しますね。やぶをかき分けて山に入れば、鳥や虫の声が聞こえてきて、足元を見ればクルミなどの木の実や果物がたくさん落ちていたりして、次第に山と自分が一体になる感覚がしてきます。そして、いつ獣に出会うかもしれず、命の危険にさらされて獲物を狙う恐怖とスリル感。だから獲物を射止めた瞬間は、山に来てよかったと天にも昇る心地です。また、持ち帰って食べる肉が新鮮でうまいことといったら! 自らの手で獲物を殺し、さばき、食う。このことは、一見、残酷なようにみえて、最も生き物に対して感謝の気持ちが生まれる行為なのですよ。これだから狩猟はやめられません!」(若者ハンター)

 ただし、狩猟は楽しいことばかりではない。悲惨な事故が山では頻繁に起きているというのだ。

「狩猟免許を取得すると、大日本猟友会が発行する“日猟会報”という雑誌が送られてきますが、それによると2013年には19人の方が亡くなったそうです。どのような事故かというと、複数人で狩猟をしている際、背後から急に飛び立ったキジと人を見誤り散弾銃を発砲、その実弾が友人を貫き死亡させた。銀杏を取りにきていたおばあさんを熊と間違えて撃ち殺したなどの、痛ましい事故の報告がされています。傷害に至っては256名もいるそうです。なかでも多いのが、わなに掛かったイノシシが最後の力を振り絞って突進してきた時に、太い牙がちょうど太ももに突き刺さるのだそうです……。狩猟は命がけだと痛感しますが、危険だからこそ面白いのですよ。なんだか矛盾していますが」(同)

 今年は「ジビエ元年」と呼ばれるほどに、野生鳥獣の肉で作られたジビエ料理を出すお店が空前のブームとなっている。しかし、現在、野生鳥獣の肉は市場等に流通することがなく、ジビエ料理店は猟師が仕留めた獲物を高値で買うしかない。そのため、商売上手なハンターは大金を得ているという。たとえ命懸けのリスクがあっても、一攫千金を狙ってハンターになるのも悪くないかも!?

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