「ヒトラーを昼夜非難する者が、野蛮さでヒトラーを超えた」発言 常識破りのトルコ大統領ヤバすぎる素顔

■大統領就任後に急変?

 大統領になると、エルドアンのクルド人への態度が微妙に変化した。それが顕著だったのが、2014年9月に、トルコと国境を接するシリアのコバニというクルド人の街を「イスラム国」が包囲した際だ。

 この時、クルド人の戦闘の主体となっていたのが、クルド民主統一党で、トルコ内のクルディスタン労働者党と強い繋がりがある政党だった。これに対し、エルドアンは「クルディスタン労働者党もイスラム国同様のテロ組織」と言い放ち、支援を拒んだのだ。

 最終的には、イラクにいるクルド人武装組織がトルコを通ってコバニへ援軍に行くことを認め、2015年1月、コバニはクルド人によって守り抜かれた。


■強い政治家、崩れ去る

 さて、エルドアンの支持率が下がった6月の総選挙で特徴的だったのは、クルド系の政党「国民民主主義党」が躍進したことだ。13.1%を得て80議席を獲得している。今回の選挙では国民民主主義党はクルド色を薄め、リベラル系や若者、同性愛者などのマイノリティからの支持も集めた。

 エルドアンは、女性の人権に関する会議で「女性に必要なのは、平等であるより対等であることだ」などと発言して女性からの反発も受けていたことから、女性票も国民民主主義党に流れたようだった。

 イスラエルへの物言いを見ても、強い大統領であったことは間違いないエルドアン。日本にも強さを誇示する政治家はいるが、エルドアンにはとうてい敵わないだろう。しかし近年は、エルドアンは自身への批判を気にして、フェイスブックやユーチューブを規制する動きを見せ、国民の反感を高めた節もある。

「奢れる者は久しからず」という古い言葉は、現代の世界でも言えることだ。

 豪壮な大統領宮殿に、エルドアンはいつまで住み続けていられるのだろうか。
(文=深笛義也)

■深笛義也(ふかぶえ・よしなり)
1959年東京生まれ。横浜市内で育つ。18歳から29歳まで革命運動に明け暮れ、30代でライターになる。書籍には『エロか?革命か?それが問題だ!』『女性死刑囚』『労働貴族』(すべて鹿砦社)がある。ほか、著書はコチラ

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1959年東京生まれ。横浜市内で育つ。18歳から29歳まで革命運動に明け暮れ、30代でライターになる。書籍には『エロか?革命か?それが問題だ!』『女性死刑囚』『労働貴族』(すべて鹿砦社)、『罠: 埼玉愛犬家殺人事件は日本犯罪史上最大級の大量殺人だった』(サイゾー)がある。ほか、著書はコチラ
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