「佐野はクロじゃない、それより電通を締め上げろ」五輪の裏システムを知る男・康芳夫が東京五輪問題を語る!
――オリンピックロゴ以外でいろいろな素材を盗用していたのは、事実のようですしね。
康「それよりももっと問題なのは、審査委員がもっときちんとチェックしなかったことだよね。これだけ世界中にデザインがあふれているんだから、絶対に似たものはある」
――オリンピックのロゴも、現実問題として似てますからね。
康「サントリーのは子分がやったと言ってますけどね、現実問題として彼は“クロ”と見られてもしょうがない。でも僕はオリンピックのロゴに関しては“クロじゃない”とみてるんですよ。彼の頭の中に入っていた場合があるんです。いわゆる無意識のインプリント。最悪のケースだと、“提出した後で気が付いたんだけど、もう取り下げるわけにはいかない”ってこともあり得ますよね」
――おそらく問題になるまで気付いてなかったんでしょうね。
康「俺もそう思う。完全に審査員の責任ですよ」
■電通は金をむしっている
――今回の件で博報堂人脈や佐野氏の親類関係の人脈から予想される癒着についても騒がれましたよね。
康「あとこれらの問題のもうひとつの側面はね、電通を締め上げないとダメだってこと。オリンピックの利権は電通が徹底的にむしってるわけだからね。こういう問題が起きると、電通がまた確実にお金をむしるわけ。膨大な利益、百億単位のお金が入るから。今度のエンブレム問題も、裏の仕切りは全部電通。その手口はまさに国際的パクリ屋。国民的監視委員会を作って徹底的にチェックする必要がある」
――トラブルでまた新たな収入が発生するんですか。
康「もちろん入ります。まず電通のパクリを削らないとやり直してもなんにもならない」
――ロス五輪の当時もこんなに電通という、いち広告代理店の力が強かったものなんですか?
康「そりゃあもう、強かったね。まあ、俺も恨みがあるからね(笑)。なにしろ僕はピーター・ユペロスとボブ・アラムを抑えていたんで、99,9パーセントはテレ朝で決まっていた話だったんだから。でも、それはなんと言ったって、電通は現金を持ってくるからね……」
――今も昔も、オリンピック関係のメディアは、ほぼ電通の独占状態ということですね。
康「スポンサーを全部抑えてるからね。さっき言ったように、トラブルが起きようが、どう転んでも電通の莫大な収入になるようにできている。10億かかるところを1億円というように、ホントなら10分の1の予算ででできるはずですよ。広告代理店のやり口は電通にかぎらず、ヤクザの地上げ屋も顔負けのあくどさだ」
――ザハ氏の建築の見積もりにもそれは言えると。
康「彼女は今、非常に合理的な代案を出してきていますよ。それがなぜ受け容れられないのか、僕は不思議でしょうがない。僕は最初に彼女の出したデザインは素晴らしいと思います。森は“ナマコみたいだ”なんて言ってますけどね(笑)。とにかく、早くあいつを辞めさせた方がいいですよ。そして、エンブレム審査委員長、この2人のクビを早急にハネないと、世論は絶対収まらないよ」
(文・写真=福田光睦/Modern Freaks Inc.代表)
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●康芳夫(こう・よしお)
1937年東京生まれ。国際暗黒プロデューサー、虚業家、家畜人ヤプー全権代理人、全地球を睥睨するスフィンクス。
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