監視社会を生き抜くためのファッションとメイクがかなりカッコいい! アート的プライバシー防衛策!!
いまや世界には監視システムがあふれ、始終誰かに自分自身の行動を知られていると言っていい。一昨年に起きたスノーデン事件がそれを証明している。スノーデンが公開した機密情報からは、各国の有力な政治家のみならず、一般市民の通話やネットでのやりとりをNSAがスパイしていることが判明した。
監視システムのなかで、最も日常的に目にするものの1つが監視カメラだ。例えば、2014年に英国警備業監督委員会によって発表された調査によれば、イギリスにおける監視カメラの台数は590万台。人口で割ると、実に11人に1台の割合で監視カメラが稼働していることになるのだから驚きだ。
監視の網から、いかにして解放されるか、プライバシーを守る、すなわち「知られない権利」を獲得するか? メイクファッションの観点から1つの答えを出そうと試みているのが「CV Dazzle」だ。
■CV Dazzleで顔検知システムからプライバシーを守る
CV Dazzle(Computer Vision Dazzle)は、コンピューターの顔検知プログラムをごまかすための方法だ。ちなみに “Dazzle”は、第二次大戦のときに、軍用船が潜水艦の攻撃を回避するために開発されたカモフラージュ技術を指す。アーティストで企業家のアダム・ハーベイがニューヨーク州立大学の学生だった時に開発した。
ビデオ映像の顔検知に広く使用されているシステムの代表格の1つに「OpenCV」(Open Source Computer Vision)がある。1999年に「Intel」によって開発され、正面からのリアルタイムな顔の検出に優れると言われている。
このシステムのアルゴリズムは鼻すじや頬骨といった、顔面にあるいくつかの部分の位置関係や色のコントラストの違いといった特徴から、画像に写っている人間を解析し個人を特定するものだ。オープンソースであり原則フリーでの使用が可能なため、商用利用や研究用途に広く使われている。解析、検知時のイメージビデオを見ると、検知システムがどこを見ているのかがわかる。
OpenCV Face Detection: Visualized from Adam Harvey on Vimeo.
動画は、「vimeo」よりスキャナーは白と黒のフィルターで、顔面のコントラストデータを収集しているのだろう。フィルターがチェックを行っている位置が、検知に必要な顔のポイントだ。
■メイクで監視カメラを欺く方法
CV Dazzleが提案している、監視カメラに個人を特定されることを防ぐメイクのポイントは6つある。
1、白い皮膚には暗めの色を、黒い皮膚には明るめの色を
2、鼻 すじの部分を一部、不明瞭にする
3、目の周囲を一部、不明瞭にする
4、顔や髪に色のコントラストをつける
5、頭(髪)の形を不規則で曖昧なものに
6、顔の左右を不均衡に見える状態にする
OpneCVのシステムは、「人の顔の色や形状は、基本的に一定の幅はあるものの、均等で整っている」という前提で作られている。画像に映された顔のコンピューターでの解析を特定不能にするには、この前提を覆してやればいいというわけだ。
このティップスを元に行ったメイクのサンプルがこちらである。
Youtubeでは、ジュリアン・メイヤーという女性が、チュートリアルビデオをアップしている。
まるで80年代のニューウェイブなロックスターのようなメイクでありながら、近未来的で尖ったオシャレ感がある。さすがに、このメイクで街を歩くのには勇気が要りそうだが。
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2024.10.02 20:00心霊監視社会を生き抜くためのファッションとメイクがかなりカッコいい! アート的プライバシー防衛策!!のページです。ファッション、メイク、ワタナベヒロユ機、監視社会などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで