12月4日に最高裁判決が下る死刑囚に冤罪疑惑が浮上! 「子どもに真実残したい」そう語った死刑囚の実像
■怪しい事実はあるが…
髙橋は取り調べや裁判で、「新井に心酔し、ずっとついていこうと思っていた。2件の殺人を頼まれた時も二つ返事で承諾した」と供述。この「首謀者新井-実行犯髙橋」という構図が2人の裁判では事実と認められているわけだ。だが、新井によると、真相はこうだという。
「安川は元々、髙橋が出会い系サイトで知り合い、金づるにしていた女性です。髙橋は安川に養子縁組を繰り返させて借金させたり、売春させるなどした挙げ句、邪魔になって殺したんです」
「僕が伯父の久保寺と金銭トラブルになっていたというのも髙橋の作り話です。僕は久保寺から500万円の運用を頼まれていたんですが、髙橋に紹介されたAという男が『葬儀会社をやれば儲かる』と言うので預けたら騙し取られてしまった。その返済を髙橋に求めていたら、髙橋は久保寺を殺してしまったんです」
筆者は当初、この新井の主張に半信半疑だった。新井が髙橋を意のままに動かして悪事を重ねていたことを疑わせる事実が散見されたからだ。
たとえば、髙橋は胸に「新井」という入れ墨を彫っていた。これは普通に考えると、「忠誠心のあかし」だ。さらに安川さんが生前、「新井の指示を受けた髙橋に売春させられている」と周囲の人間に相談したこともあったという。
だが、取材を進めると、こうした事実の背景には髙橋の作為が見て取れた。
■2人の「犯人」を知る人たちは語る
たとえば、裁判資料をひもとくと、髙橋は安川さん以外にも様々な女性と出会い系サイトで知り合い、風俗で働かせていたことがわかった。さらにそういう金づるに過ぎない女性たちの名前も髙橋は入れ墨にしていたのだ。弁護側はこの事実に基づき、「髙橋にとって、新井の名前の入れ墨は忠誠心の表れではない」と主張しているが、否定しがたい説得力があった。
また、新井によると、安川さんに売春させていた疑惑の真相はこうだという。
「髙橋は安川に売春させる際、『これは竜さん(=新井)の指示だから』と言っていた。そのため、安川は僕の指示で髙橋に売春させられていると思い込み、周囲に相談していたんです」
実際、新井の仕事仲間で、髙橋のこともよく知る男性はこう言う。
「タカさん(=髙橋)は竜さんに敬語は使っていましたよ。でも、単に年上だからで、主従関係みたいなものはなかったですよ(笑)」
同様の証言は他でも聞かれた。2人を知る人たちには、新井が完全に従属的な立場にある髙橋を手足のように動かし、2件の殺人を実行させたという筋書きはピンとこないようだった。
※次頁、実行犯から届いた手紙
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2024.10.02 20:00心霊12月4日に最高裁判決が下る死刑囚に冤罪疑惑が浮上! 「子どもに真実残したい」そう語った死刑囚の実像のページです。死刑囚、冤罪、12月4日、新井竜太などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで