12月4日に最高裁判決が下る死刑囚に冤罪疑惑が浮上! 「子どもに真実残したい」そう語った死刑囚の実像
■実行犯から届いた手紙
さらに裁判では、久保寺から500万円の運用を任された新井が、髙橋に紹介された人物Aに「葬儀会社の設立」を勧められて金を託したことや、葬儀会社は設立登記されただけで稼働せず、託した金は丸損になったことも明らかに。しかも髙橋は新井がAに金を託す際、親しくしていた「暴力団組長の元妻」である女性と交わしたメールで、「Aが行ったら、むしり出しますよ」「Aはやはり喝ってきましたか」と新井を嘲笑していたのである。
そこで筆者は宮城刑務所で服役中の髙橋に手紙を出し、「あなたが裁判で嘘をついていると思うので、真相を教えて欲しい」と取材を申し込んだ。すると、高橋から興味深い内容の手紙が届いた(引用は原文ママ)。
〈犬、猫すら殺した事のない人が、私や竜太の20年以上の何がわかるのですか?(笑)片腹痛いです。たかだか平和ボケした人が殺しの修羅場を語って欲しくないのが本音です〉
〈私に話をさせるならばそれなりの代価・情報料を払って下さい〉
公判でひたすら反省、悔悟の態度を示した人物とは思いがたい物言いだ。さらに手紙には、
〈事件や事故は場所、時間を答わず誰にでも起こる事です。くれぐれも気をつけて下さい〉
と脅すようなことまで書いてあった。
そこで筆者は改めて髙橋に対し、通信費として1000円を同封のうえ、「あなたは嘘をついていると思う」と告げたことへの反論の有無を確認する手紙を送付した。だが、返事は1年以上届かない。
■「子どもに真実を残したい」
「髙橋に対しては、今は怒りより『気の毒なヤツだ』という思いが強いです。記録を調べるほど、ヤツが『死刑になりたくない』とあがいていたのがわかったからです」
新井は自分を貶めた髙橋についても達観したようにそう語る。裁判員に対しても、うらみや怒りはなく、「殺人の片棒をかつがされ、むしろかわいそう」と思っているという。
「自分は死刑になると思っています。でも子どもには、父親が殺人犯だという思いはさせたくない。真実を残してやりたいんです」
そんな思いから筆者の取材を受けたという新井。最高裁は12月4日、どんな審判を下すだろうか。
(取材・文・写真=片岡健)
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2024.10.02 20:00心霊12月4日に最高裁判決が下る死刑囚に冤罪疑惑が浮上! 「子どもに真実残したい」そう語った死刑囚の実像のページです。死刑囚、冤罪、12月4日、新井竜太などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで