「ずっと公安に尾行されてた」元オウム・菊地直子モチーフの映画イベントで雨宮処凛が語ったアノ事件とは?
オウム真理教の元信者である菊地直子が、11月27日、東京高裁で無罪判決を受けた。
2013年、彼女の逃亡生活をモチーフに作られた映画が、『潜伏』(監督・保坂延彦)だ。また、2011年12月31日に警視庁に出頭して逮捕された、同じくオウム真理教・元信者の平田信の逃亡生活からインスピレーションを受けて作られたのが、映画『愛のゆくえ(仮)』(監督・木村文洋)である。
この2本の映画の上映とトークイベントが、12月8日、渋谷のユーロライブで開かれた。トークイベントに登壇したのは、『潜伏』で、菊地直子をモデルにした主役を演じた土屋貴子、『愛のゆくえ(仮)』で、平田信を匿っていた女を演じた前川麻子、そして、作家の雨宮処凛だ。映画の上映後、3人が語り合った。
前川麻子は1987年、にっかつロマンポルノ『母娘監禁 牝<めす>』に出演し、ヨコハマ映画祭最優秀新人賞を受賞した女優だ。また2000年、『鞄屋の娘』で小説新潮長編小説新人賞を受賞した作家でもある。『愛のゆくえ(仮)』で、前川は脚本も手がけた。
テレビがない生活で、平田信の出頭をTwitterで知ったという前川は、その時のことをこのように語る。
「舞台で二人芝居をやることが決まっていて、その台本を書かなきゃいけなかった。ちょうどその時、平田の出頭を知り、そのまんま4時間ぐらいでバーッと書いたんです。『ふたりで暮らしていたの? これ凄いことだね』って……。オウムや平田のことを書こうと思ったわけでもなく、そのシチュエーションが二人芝居に使えるって思ったんです」
確かに映画でも、オウム真理教に関連することはまったく触れられていない。ラストシーンを見るまでは、平田信がモチーフになっていることもわからない。匿われている男と、ウソを重ねながら外で仕事をしている女の生活が、淡々と描かれている。だが、あまり好評は得られなかったという。
「二人芝居の公開稽古でやってみたときは、不評だったんです。それで、没にされました」
その後、前川は自身のこの作品を『愛のゆくえ(没)』と呼んでいた。だが、この作品を目にしたプロデューサーの高橋和博が、「没なんですか? それならください」と申し出て、前川が快諾したため、映画制作へと至り、『愛のゆくえ(没)』は『愛のゆくえ(仮)』となった。これはタイトルが決まっていないということではなく、これが正式タイトルなのだ。仮の名前で働く女、仮の住まいで暮らす男、仮の人生が、そこに含意されている。
一方、『潜伏』は菊地直子の逮捕の一報を受けて作られた。こちらもフィクションであり、オウム真理教は「カーマの家」と変えられている。
土屋貴子は、TBS金曜ドラマ『もう一度結婚』で女優としてデビュー。中国映画にも出演している。彼女は、菊地直子をモデルにした主役を演じた当時の気持ちをこう語る。
「逃げている女と匿っている男、どういう精神状態だったか、すごく興味があったんです。私も同じようなことがあって、逃亡者じゃないですけど、16年くらい一緒に暮らした人がいたのを、内緒にしていたんですよ。すごく辛いけれど、でもその中に日常の幸せがあったり、自分と被る部分が多かった」
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