「イスラム国」の蛮行がもとでシリアに「人喰い菌」が大発生中!

■「イスラム国」とリーシュマニア症の関連 

 赤十字社クルド支部のディルカッシュ・イサ氏はこう断言する。「リーシュマニア症が急激に広がった原因は、「イスラム国」が罪のない人々を虐殺し、その遺体を道に投げ捨てているからだ」と。サシチョウバエは腐乱死体に群がって急増し、これらのサシチョウバエが病原体の媒介となっているらしい。

 クルド人部隊戦闘員は、「我々はこの病気について何も知らなかった。この病気はタルハミス、ホン、キオサといった州で拡大している。我々はISISと戦って4年経つが、この病気が戦場から広がっていることは間違いない」という。そしてリーシュマニア症は「イスラム国」の戦闘員の間でも感染が広まっているらしい。


■WHO(世界保健機構)からの警鐘

 現在1300万人のシリア人住民が人道的、もしくは医療的な支援を必要としているが、シリアの国公立病院の58パーセントは部分的、または完全に破壊され機能をしていない。

 WHO(世界保健機構)は、リーシュマニア症は放置すれば死亡する可能性もある重大な病気であるのに、患者が治療も受けず放置されていることに多大な懸念を示している。WHOは公式声明で、「シリアでは外傷治療と精神的・心理的なケアの需要、そして伝染性、非伝染性の疾病が増加している。また人々の衛生環境と栄養状態は非常に悪く、免疫低下を招いている」と述べている。また隣国のイラクではコレラが大流行しており、WHOはシリアのような荒廃した環境では伝染性の病気が大流行する可能性が高いとみて、薬品を集積する対策を行っているという。

 残虐非道な「イスラム国」の蛮行によってシリアでは住民の間に重い伝染病まで蔓延している事態が今回明らかになったが、彼ら住民が家と家族、そして普通の生活を取り戻せる日はいったいいつ来るのであろうか。
(文=三橋ココ)

参考:「Daily Mail」、Ruptly」ほか

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